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さよならまでの読書会 : 本を愛した母が遺した「最後の言葉」 の読書会ページ

さよならまでの読書会 : 本を愛した母が遺した「最後の言葉」(9784152093905)

さよならまでの読書会 : 本を愛した母が遺した「最後の言葉」

著者:Schwalbe,Will 高橋,知子,英米文学翻訳家

出版社:早川書房 (201307)

ISBN-10:4152093900

ISBN-13:9784152093905

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P.80 の気になるフレーズ

母が常々あきれ顔になるのは、子どもにはもっと本を読ませようとするのに、自分はちっとも読まない親がいることだ。それで思い出すのは、デンヴァーのニューズキャスターが雑談のおりに、まじめくさって言った言葉だ。
「本は好きですね。読まないけど。でも、好きなんです」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-08 05:57:55

P.84 の気になるフレーズ

「親というものは、不幸にならないために最善を尽くすべきだと思うわ。子どもにとって最悪なのは、不幸な親がいることなのだから。もし外で働きたければ働けばいい。それができなかったり、したいと思えなければ、しなければいい」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-08 06:18:22

P.105 の気になるフレーズ

読んでいるページには、訪問した難民キャンプから持ち帰ったものだろう、色鮮やかで刺繡がほどこされた栞がはさまれていた。
この小さな本は装丁からして癒される。母の本は三人、四人ではなくとも、確実に誰か一人の手は経ており、その点を母は気に入っていたようだ。百年以上ものあいだ、人びとに知恵と安らぎをあたえつづけている本で、母の本は七十三年間、そういった働きをしていた。母が生まれた年に発行された版だ。誰かがページを繰り、栞をはさみ、持ち歩いていた。その人たちの希望や不安の痕跡が、それとなく本のなかに残っていると考えるのは突飛だろうか?

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-09 05:41:11

P.127 の気になるフレーズ

これまでに訪れた難民キャンプをふり返ると、それがどこの国であっても、いつも同じものを求められた。本よ。薬や避難所よりもまず本を、と言われることもあった。自分の子どもに読ませる本をほしがってた

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-10 06:29:27

P.145 の気になるフレーズ

母はわたしと会って本の好きな箇所を示すときは、自分で読みあげることはいっさいしない。本を差しだし、該当する行を指さし、読みはじめと読みおわりを示すだけだ。このときは何ヵ所かあった。いつものように母は、わたしの目が正しい箇所を見つけたときだけ指をあげた。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-10 06:40:24

P.154 の気になるフレーズ

本というのは単にある特定の時代や場所だけでなく、人間の精神をも題材にしている、と言う必要性を感じるときが往々にしてある。たとえば『アンネの日記』やエリ・ヴィーゼルの『夜』、イシメール・ベアの『戦場から生きのびて――ぼくは少年兵士だった』だ。とはいえ、本は特定の時代や場所の向こうにある普遍的なものを語りうると思うのと、その作品が書かれた状況や時代を度外視するのはべつのことだ。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-10 06:57:53

P.155 の気になるフレーズ

「以前、ボスニアで紛争が起きているときに、高校生のまえで話をしたことがあるの」母はわたしに言った。「そうしたらその翌日、生徒のひとりから電話があってね。その子の父親はある会社の大物幹部だったんだけど、わたしが講演をした日、夕食の席で父親に会社は大量の生活物資を寄付するだけじゃなくて、ボスニアへの輸送費も負担すべきだって説得したんだって。そういうことがあるから、わたしは誰にでも図書館の話をするの。誰が援助をしてくれるかわからないもの」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-10 07:09:13

P.173 の気になるフレーズ

「だったら、ブッククラブで重苦しい本を取りあげてもかまわない?」わたしは訊いた。
「ええ――ちっともかまわないわ。わたしを暗澹たる気持ちにさせるのは残忍なことがらよ。だけど、残忍さについて読むのも大切よ」
「どうして大切なの?」
「そういったものを読めばそれだけ、残忍さに気づきやすくなるからよ。(中略)わたしたちは、残忍な行為をまだ芽のうちに気づくすべを身につけなくてはならない。だいたいにおいて、悪というのはちょっとした残忍さからはじまるものだから」

総コメント数:3 投稿日時:2019-08-17 07:29:54

P.189 の気になるフレーズ

「ハンセン病はそうめったにかかるものじゃないし、治療で完全に治せるって知っておくべきよ。インフルエンザをわずらっている人のところに行くほうが、もっと勇気がいるわよ」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-17 18:36:43

P.233 の気になるフレーズ

わたしたちきょうだいは子どものころから、感謝ということを厳しくしつけられてきた。母方にすてきなおばが三人いるがいずれも、プレゼントを送れば、すぐに礼状が返ってきて当然だと考えている。もし届かなければ、一族全員――いとこから、またいとこまで全員――に、感謝の念を欠いたことを知られ(中略)、あちらこちらから非礼を指摘される。礼状は通り一遍のものであってもならない。心をこめて具体的なことをつづり、贈られた品について書いていることがわかる文面にしなければならない。それゆえクリスマスの午後と言えば、礼状書きの時間だった。子どものころは、この作業がいやでたまらなかったが、病院で母が笑顔で感謝の言葉を口にしているのを見ていて、母が何をわたしたちに教えようとしていたのか気づいた。つまり、感謝と言うものには多大な喜びがあるということだ。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-17 18:50:00

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