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アーダ〔新訳版〕 上 の読書会ページ

アーダ〔新訳版〕 上(9784152097101)

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アーダ〔新訳版〕 上

著者:ウラジーミル・ナボコフ/若島 正

出版社:早川書房 (2017年09月21日頃)

ISBN-10:4152097108

ISBN-13:9784152097101

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P.73 の気になるフレーズ

砂の上に落ちる葉の影は、陽の光の小円によってさまざまに乱されていた。競技者は自分の小円を選ぶ――最高の、いちばん明るい小円を――それから小枝の先でその輪郭をくっきりと描く。するとたちまち、黄色の円い光が、まるで今にもこぼれだしそうな金色の染料の表面みたいに、凸面に見えてくる。そこで競技者は小枝か指先で、小円の中の土をそっと掬い出す。すると輝くライム・ティーの水面が魔法のように土のゴブレットの中に沈んでいき、とうとうわずか一滴になる。たとえばに十分以内に、そのゴブレットをたくさん作った競技者が勝ち。

総コメント数:2 投稿日時:2018-03-09 09:13:07

P.75 の気になるフレーズ

「きみとクローケーをするのは」とヴァン、「フラミンゴとハリネズミを使うようなものだろうな」
「どうも読書の趣味が合わないみたいね」とアーダが答えた。「あの『不思議の国のパレス』はわたしにとって、絶対好きになるからといってみんなが薦めるものだから、どうしようもない偏見ができてしまったような種類の本なの。(後略)

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-09 09:24:27

P.128 の気になるフレーズ

猛暑の七月の午後には、アーダは日当たりのいい音楽室で、白い油布を敷いたテーブルのそばにある、象牙に似せた木製のひんやりとしたピアノ・スツールに腰掛け、お気に入りの植物図鑑を開き、何か風変わりな花を絵具でクリーム色の紙に写生するのが好きだった。

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-15 19:10:14

P.130 の気になるフレーズ

あの髪に、あの首筋に、来る日も来る日もバタフライ・キスをしたのに、唇が偶然彼女の肌にわずかばかり接触し、シャッテルの木の迷宮の中ではそれが官能的に認識されることもほとんどなかった、あの日の前日よりもさらに彼女から遠く離れてしまったようにヴァンは感じた。

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-15 19:22:58

P.133 の気になるフレーズ

追憶(リメンブランス)というものは、レンブラントに似て、色調は暗いが祝祭的なのである。

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-15 19:29:38

P.136 の気になるフレーズ

「それにしても。その男は誰だか、たぶん知ってると思うな。ウィットはあっても心はない男、それはたしかだ」

総コメント数:3 投稿日時:2018-03-15 19:33:56

P.141 の気になるフレーズ

「それで、憶えてる、ほら [And do you remember/a tï pomnish' /et te souviens-tu] (いつも決まってこの結尾を思わせる「それで」が付いていて、ちぎれた首飾りに通すビーズ玉を導入する)という文句は、真剣な議論の中で、二人が新たに文章を起こす場合の標準的な仕掛けになった。

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-15 19:45:12

P.218 の気になるフレーズ

僕たちが教わっているフランス文学の教授の説では、マルセルとアルベルチーヌの恋愛の描き方にそもそも、哲学的でそれゆえ芸術的な、由々しい欠陥があるというんだ。語り手が同性愛者で、アルベルチーヌのぽっちゃりとした頬は要するにアルベルチーヌのぽっちゃりとした尻だということを、もし読者が知っているとしたら描き方が納得できる。ところが、芸術作品を味わい尽くすために、そういうことだとか、作者の性的嗜好について読者が多少なりとも知っておくことは、前提にもならないし要求もされないとしたら、描き方がチンプンカンプンというわけだ。(中略)作者の汚れ物を調べた洗濯女もどきでないと味わえないような小説なんて、芸術的に見て失敗作だ、というのが教授の結論なのさ。

総コメント数:4 投稿日時:2018-03-29 11:16:33

P.262 の気になるフレーズ

「思うんだが……思うんだが」と彼は言った。「人間というものは次の台詞を忘れたただの役者のようなものじゃないかな」
「そう思う人が多いって聞いたことあるわ」とアーダが言った。「それってきっと恐ろしい気分でしょうね」

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-29 11:28:15

P.268 の気になるフレーズ

彼女は本気で読書していたわけではなく、神経質そうに、怒ったように、ぼんやりと頁を繰っているだけで、それはたまたま例の古い名詩選だった――彼女は何時でも、本を手に取れば、どんなものであれ、水生動物がもとの小川に戻されたみたいに自然な動作で「本の淵から」するりともぐりこんで、たちまちのうちに没頭してしまうのに。

総コメント数:1 投稿日時:2018-03-29 11:35:28

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