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マチネの終わりに の読書会ページ

マチネの終わりに(9784167912901)

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マチネの終わりに

著者:平野 啓一郎

出版社:文藝春秋 (2019年06月06日頃)

ISBN-10:4167912902

ISBN-13:9784167912901

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P.118 の気になるフレーズ

 香り豊かな溢れんばかりの花々のそこかしこには、いつか彼が怪我をするのを待っている釘やガラス片が紛れていた。ありとあらゆる賛辞が鮮やかに咲き誇っている一方で、量こそ劣るものの、一つ一つがやけにしつこく記憶に刻まれてしまう批判や中傷の類も、鋭利に輝いていた。

総コメント数:2 投稿日時:2019-12-20 17:17:16

P.120 の気になるフレーズ

「地球のどこかで、洋子さんが死んだって聞いたら、俺も死ぬよ。」
 洋子は一瞬、聞き間違えだろうかという顔をした後に、蒔野がこれまで一度も見たことがないような冷たい目で彼の真意を探ろうとした。
「そういうこと、……冗談でも言うべきじゃないわよ。善い悪い以前に、底の浅い人間に見えるから。」

総コメント数:4 投稿日時:2019-12-20 19:36:38

P.122 の気になるフレーズ

「わたしは、父の映画について客観的に語ることは難しいけれど、……そうね、美しいからこそ、あの凄惨な世界を受け容れられるっていうのも、あるでしょうね。剥き出しのまま、直視できる人は少ないから。見ても、すぐに忘れようとしてしまう。(後略)

総コメント数:3 投稿日時:2019-12-20 19:17:20

P.137 の気になるフレーズ

 楽曲の全体が、星空のように広大に、遥かに見渡されて、しかも旋律は星座のように整然と結び合い、決して見失われることがなかった。その多彩な一音一音に耳を澄ますことには、星の光の一つ一つに目を凝らすような楽しみがあり、興奮があった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-12-20 19:49:53

P.164 の気になるフレーズ

 こういう境遇でも、人は、音楽を楽しむことが出来るのだった。それは、人間に備わった、何と美しい能力だろうか。そして、ギターという楽器の良さは、まさしく、この親密さだった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-12-21 20:15:10

P.184 の気になるフレーズ

相手に対する答えは、常に同時に自分自身に対する答えでもあらねばならない。そう信じている風の彼女の誠実さに、強く心惹かれていた。

総コメント数:2 投稿日時:2019-12-21 20:18:15

P.187 の気になるフレーズ

他と比べて、自分はまだマシだったとか──自分の国はマシだったとか──そういう相対的な見方は、所詮は加害者同士の醜い目配せよ。わたしはそういうの、どうしても許せないの。被害者っていうのは、決して相対化されない、絶対的な存在でしょう?(中略)やっぱり、被害者に対しては、人類っていう見地がどうしても不可欠になってくる。

総コメント数:1 投稿日時:2019-12-21 20:26:17

P.390 の気になるフレーズ

とにかく、どんな方法でもいいから、彼の側に居続けたいと思ってました。たとえそれが、人として間違っているとしても。──正しく活きることが、わたしの人生の目的じゃないんです。わたしの人生の目的は、夫なんです!……だから、お願いします。今日はコンサートには来ないでください。(中略)
 彼女の振り回す短慮が、切れ味の悪い刃物のように自分を傷つけてゆくのを、黙って許していた。

総コメント数:1 投稿日時:2019-12-24 19:24:50

P.426 の気になるフレーズ

「重要意志というのは、未来に対してはなくてはならない希望だ。自分には、何かが出来るはずだと、人間は信じる必要がある。そうだね?しかし洋子、だからこそ、過去に対しては悔恨となる。何か出来たはずではなかったか、と。運命論の方が、慰めになることもある。」

総コメント数:4 投稿日時:2019-12-24 13:04:08

P.427 の気になるフレーズ

しかし、オテロの過失は、彼の激情的な性格に起因している。あんなに単細胞で、怒りっぽくなければ、ハンカチ一つでデスデモーナを殺すこともなかっただろう。

総コメント数:2 投稿日時:2019-12-24 19:38:39

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