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NO. 00187385 DATE 2024 04 19

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで

著者:Strogatz,StevenHenry,1959- 田中,久陽 中尾,裕也 千葉,逸人,1982-

出版社:丸善出版 (201501)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.315の問題番号「8.2.9」への解答

\[ \dot{x}=x(b-x-\frac{y}{1+x}), \ \ \dot{y}=y(\frac{x}{1+x}-ay) \] (a) この系のヌルクラインは$\dot{x}=0, \ \dot{y}=0$より、$x=0, \ \ y=(1+x)(b-x), \ \ y=0, \ \ y=\frac{x}{a(1+x)}$となる。これらを描くと、添付図の青いラインのようになる。
(b) すべての$a,b>0$において、ヌルクライン$y=(1+x)(b-x)$は点$(b,0)$と点$(0,b)$を通り、一方、$y=\frac{x}{a(1+x)}$は原点を通り、$y=1/a$に$x$が正の向きに漸近する関数になっているので、この2つのヌルクラインは必ず第1象限で交わる。つまり、正の固定点$x^*>0, \ \ y^*>0$が存在することがわかる。
(c) この系の固定点は$(0,0), \ \ (b,0), \ \ (x^*,y^*)$の3点。このうち、$(0,0)$は孤立していない固定点と予想され、$(b,0)$はサドルとなる。
\[ (x^*,y^*) \ : \ J = \frac{1}{1+x^*} \begin{pmatrix} x^*((b-1)-2x^*) & -x^* \\ b-x^* & -x^* \end{pmatrix}, \\
\tau=\frac{x^*((b-2)-2x^*)}{1+x^*}, \ \ \Delta = \frac{x^*(b-bx^*+2x^{*2})}{(1+x^*)^2} \]となる。ここで、$\tau=0$より$2x^*=b-2$が得られ、このとき、
\[ \Delta=\frac{4(b-2)}{b^2}, \ \ \tau^2-4\Delta=-\frac{16(b-2)}{b^2} \]となるので、$b>2$のとき、ホップ分岐が起こることがわかる。また、このとき、
\[ a_c=\frac{x^*}{(b-x^*)(1+x^*)^2}=\frac{4(b-2)}{b^2(b+2)} \]となる。
(d) まず、$a$と$x^*$の関係を考える。$b$の値が固定されているとすると、ヌルクライン$y=(1+x)(b-x)$も固定される。このとき、$a$を大きくしていくと、ヌルクライン$y=\frac{x}{a(1+x)}$は$y=0$に近づいていくので、$x^*$は大きくなりながら、$b$に近づいていくことがわかる。したがって、$a>a_c$のとき$\tau<0$、$a<a_c$のとき$\tau>0$となる。これを踏まえて、$b=3, \ \ a_c=4/45$のときの相図を描くと添付図のようになり、この系は$a>a_c$のとき$(x^*,y^*)$は安定スパイラルとなり、$a<a_c$のとき$(x^*,y^*)$は不安定スパイラルで、その周りに安定なリミットサイクルを持つので、超臨界ホップ分岐を起こすことわかる。

解答者:goodbook 解答日時:2021-04-23 05:31:43

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