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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス

著者:スティーヴン・H.ストロガッツ/田中久陽

出版社:丸善出版 (2015年01月30日頃)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.317の問題番号「8.3.2」への解答

系$\dot{x}=a-x+x^2y, \ \ \dot{y}=b-x^2y$
(a) ヌルクライン$y=(x-a)/x^2$と$x$軸との交点$(a,0)$から始める。点$(a,0)$に接する直線をもう一つのヌルクライン$y=b/x^2$と交わる点$(x_1,y_1)$まで延ばす。次に、$x \geq a+b, \ \ y>(x-a)/x^2$の領域で$\dot{y}/\dot{x} \leq -1$となることを考慮して、点$(x_1,y_1)$から$x$軸と平行に点$(a+b,y_1)$まで線を延ばし、その後、点$(a+b,y_1)$から傾き$-1$の線を$y=(x-a)/x^2$と交わる点$(x_2,y_2)$まで延ばす。その点$(x_2,y_2)$から$x$軸に垂線を下ろすと、ここまで描いた線と$x$軸で囲まれた領域はトラッピング領域となる。添付図にトラッピング領域(緑の領域)を描く。
(b) この系の固定点は$(a+b,b/(a+b)^2)$。ヤコビ行列は
\[ J = \begin{pmatrix} -1 + \frac{2b}{a+b} & (a+b)^2 \\ -\frac{2b}{a+b} & -(a+b)^2 \end{pmatrix}, \ \ \tau=\frac{b-a-(a+b)^3}{a+b}, \ \ \Delta =(a+b)^2 \]となるので、$b-a<(a+b)^3$のとき安定スパイラルとなり、$b-a>(a+b)^3$のとき不安定スパイラルとなる。
(c) (b)の結果より$b-a<(a+b)^3$のとき$\tau<0, \ \ \Delta>0$であるので固有値の実部は負であり、$a, \ b$が変化し$b-a>(a+b)^3$となると$\tau>0, \ \ \Delta>0$となるので固有値の実部は正となる。つまり、$b-a=(a+b)^3$でホップ分岐を起こすことがわかる。
(d) この系の相図は添付図の上段2つの図のようになる。その結果、この系は超臨界ホップ分岐を起こすことがわかる。
(e) 固定点の$x$座標を$x^*=a+b$とおく。このとき、分岐の条件式から$b-a=(x^*)^3$となる。したがって、この2式から
\[ a=\frac{1}{2} x^* [1-(x^*)^2], \ \ b=\frac{1}{2} x^* [1+(x^*)^2] \]を得る。これらを使うと、分岐曲線は添付図の下図のようになる。

解答者:goodbook 解答日時:2021-05-01 16:23:32

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