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NO. 00187984 DATE 2024 04 25

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス

著者:スティーヴン・H.ストロガッツ/田中久陽

出版社:丸善出版 (2015年01月30日頃)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.318の問題番号「8.3.3」への解答

系\[ \dot{x}=a-x-\frac{4xy}{1+x^2}, \ \ \dot{y}=bx \left( 1-\frac{y}{1+x^2} \right) \] リミットサイクルを持つ場合を考える。$b \ll 1$の場合$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(b)$となるので、$a-x-\frac{4xy}{1+x^2} \sim \mathcal{O}(1)$の領域では、ベクトル場の流れの速度は水平方向に大きく、垂直方向には小さいため、軌道はほとんど水平方向に動く。初期条件がヌルクライン$y=(a-x)(1+x^2)/4x$より下側にある場合、$a-x-\frac{4xy}{1+x^2}>0$となるので、$\dot{x}>0$である。つまり軌道はヌルクラインに向かって横向き正の方向に動く。その後、軌道がヌルクラインにきわめて近接し、$y-(a-x)(1+x^2)/4x \sim \mathcal{O}(b)$となると、$\dot{x}$および$\dot{y}$は同程度の大きさをもち、ヌルクラインの近傍に沿ってゆっくりと$\mathcal{O}(b)$程度の速度で移動して添付図の点AまたはCの屈曲部に至り、再び横向きにジャンプする。

この系の固定点の$x$座標を$x^*$とおくと、
\[ x^* = \frac{a}{5}, \ \ \Delta = \frac{5bx^*}{1+(x^*)^2}, \ \ \tau = \frac{3(x^*)^2-5-bx^*}{1+(x^*)^2} \]となるので、分岐点は
\[ a_c = \frac{5(b+\sqrt{b^2+60})}{6} \]となる。したがって、分岐点近傍でのリミットサイクルの周期は
\[ T = \frac{2 \pi}{\sqrt{\Delta}} = 2 \pi \sqrt{\frac{48+b(b+\sqrt{b^2+60})}{15b(b+\sqrt{b^2+60})}} \approx 4 \pi \sqrt{\frac{ 2 \sqrt{15}}{75b} } \]と見積もることができる。

解答者:goodbook 解答日時:2021-05-02 08:24:59

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