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NO. 00178277 DATE 2024 03 29

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス

著者:スティーヴン・H.ストロガッツ/田中久陽

出版社:丸善出版 (2015年01月30日頃)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.324の問題番号「8.7.11」への解答

$N$次元の系
\[ \dot{\phi}_i=\Omega+a \sin \phi_i + \frac{1}{N} \sum_{j=1}^N \sin \phi_i \]に対し、変数変換$\phi_i \to \phi_i+\frac{\pi}{2}$とすると、系は
\[ \dot{\phi}_i=\Omega+a \cos \phi_i + \frac{1}{N} \sum_{j=1}^N \cos \phi_i \]と書き直すことができる。このとき、系は
\[ t \to -t, \ \ \phi_i \to -\phi_i + 2\pi n \]の変換に対して可逆となる。同相解$\phi^*(t)$の方程式
\[ \frac{d \phi^*}{dt}=\Omega+(a+1) \cos \phi^* \]も$t \to -t, \ \ \phi^* \to -\phi^* + 2\pi n$に対して可逆となる。
これは、同相解が$\phi^*(t)=-\phi^*(-t)+2\pi n$を満たすことを示す。特に、$t=0$のとき、$\phi^*(0)=-\phi^*(0)+2\pi n$となるので、
\[ \phi^*(0) = \pi n \]となる。
次に、$T\neq T'$として、$\phi^*(t)$が
\[ \phi^*(T)=\pi n + 2\pi, \ \ \phi^*(-T') = \pi n - 2\pi \]を満たすと仮定する。これは、閉軌道を1周するごとに帰還時間が変化する、つまり、同相状態は吸引的であることを示す。
しかし、これは$\phi^*(T)=-\phi^*(-T)+2\pi n$であることから、
\[ \phi^*(-T)=\phi^*(-T')=\pi n - 2\pi \]となり、$T \neq T'$であることに反する。
したがって、同相状態は吸引的ではないことが示される。

解答者:goodbook 解答日時:2021-07-31 12:47:40

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