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読書論 著者:小泉,信三 出版社:岩波書店 (196411) ISBN-10:4004150876 ISBN-13:9784004150879
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P.33の気になるフレーズ
「鼻のところにて、『フルヘッヘンド』〔綴りはVerheffend〕せしものなりとあるに至りしに、此語わからず。(中略)其頃『ウォールデンブック』釈辞書といふものなし。ようやく長崎より良沢求め帰りし簡略なる一小冊ありしを見合たるに『フルヘッヘンド』は釈註に、木の枝を断ちたる迹、其迹『フルヘッヘンド』をなし、又庭を掃除すれば、其塵土聚り『フルヘッヘンド』すといふ様によみ出せり。これは如何なる意味なるべしと、又例の如くこじつけ考ひ合ふに、弁へ兼なり。時に、翁(玄白)思ふに、木の枝を断りたる跡癒れば堆くなり、又掃除して塵あつまればこれもうづだかくなるなり。鼻は面中に在りて堆起せるものなれば、『フルヘッヘンド』は堆といふことなるべし。然れば此語は堆と訳しては如何といひければ、各々之を聞て甚だ尤なり、堆と訳さば正当すべしと決定せり。其時のうれしさは何にたとへんかたもなく、連城の玉をも得し心地せり」
総コメント数:1 投稿日時:2020-03-19 05:24:12
気になるフレーズへのコメント
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これ経験したいな
杉田玄白らが、ほとんどオランダ語を知らない状態から4年かけて「解体新書」の翻訳を行ったときのエピソード。ちなみに、堆は「うづたかし」と読みます。 投稿者:goodbook 投稿日時:2020-03-19 05:24:12 |