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現代語訳 蜻蛉日記 の読書会ページ

現代語訳 蜻蛉日記(9784006022259)

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現代語訳 蜻蛉日記

著者:室生 犀星

出版社:岩波書店 (2013年08月20日頃)

ISBN-10:4006022255

ISBN-13:9784006022259

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P.67の気になるフレーズ

四月のころ、賀茂の祭りを身に出かけたが、思いがけなく時姫の方でも来て、祭りの中にいるのであった。それらしいと見たので、その前に自分の車を止めた。行列を待つ間の所在なさに、橘の実があったのに葵をかけて、

葵とか聞けどもよそに橘の
(葵祭りにあやかって、今日はあなたに会える日だと申しますに、こんなに外に立ったままで、お目にかかれずにいた)

と言ってやると、ややしばらくたって、

   君がつらさを今日こそは見れ
   (向こうに立ったまま会いに来てくださらないので、今日こそあなたを薄情な人だと思いました)

と返事が来た。「年来仇どうしで憎々しく思っているはずなのに、どうしてこう穏やかな言い方をしたんだろう」とふしぎがる人もあった。帰宅してこんなことを夫に話すと、
「食いつぶしてしまいたいとは言わなかったかね」と上きげんで笑うのであった。

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-10 10:05:20

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気になるフレーズへのコメント

1

ドロドロ

「愛憎劇」というともっと激しいものを想像してしまいますが、現実には一見穏やかな生活の局面に潜むものなのかも知れませんね。それぞれ上の句と下の句を詠み「お会いしたかったわ」と言い合うライバル同士と、その間に立つ男の図太さのコントラストが面白いです。「食いつぶしてしまいたい」って…

投稿者:kukka55 投稿日時:2019-06-10 10:05:20

2

この男、すごいですね

自分もこのフレーズを読んで、この男の図太さに驚きました。
「食いつぶしてしまいたい」を「上きげん」で「笑い」ながら言うだなんて。
この場面でこういう態度を取った自分を想像してみると…、
背筋が凍りつきます。

投稿者:goodbook 投稿日時:2019-06-11 05:21:43