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NO. 00001661 DATE 2019 08 23

蜻蛉日記 の読書会ページ

蜻蛉日記(9784006022259)

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蜻蛉日記

著者:藤原道綱母/室生犀星

出版社:岩波書店 (2013年08月)

ISBN-10:4006022255

ISBN-13:9784006022259

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P.34 の気になるフレーズ

このように日がたっていくうちに、年も変わり、けっこうずくめに扱われていたあの町の小路の女の所では、子を生んでから、いや気がさされてしまったようなので、いじの悪い考えから、生き長らえさして私が悩んでいるように反対に苦しませてやりたいと思っていたのだが、そんな結果になってきて、はては大騒ぎして生んだ子どもも死んでしまったのであった。この女は孫王の下賤な女に生ませた御子の落胤で、話にならない悪い素性なのだ。ただこの節の事情を知らぬ人がちやほやしたので、こんなに羽振りがよかったのだが、急に見捨てられてしまったので、どんな気持ちでいるのだろうか。私の悩みよりももっとよけいに悩んでいるだろうと思うと、今こそ胸のつかえがおりるようであった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-06-10 09:26:00

P.67 の気になるフレーズ

四月のころ、賀茂の祭りを身に出かけたが、思いがけなく時姫の方でも来て、祭りの中にいるのであった。それらしいと見たので、その前に自分の車を止めた。行列を待つ間の所在なさに、橘の実があったのに葵をかけて、

葵とか聞けどもよそに橘の
(葵祭りにあやかって、今日はあなたに会える日だと申しますに、こんなに外に立ったままで、お目にかかれずにいた)

と言ってやると、ややしばらくたって、

   君がつらさを今日こそは見れ
   (向こうに立ったまま会いに来てくださらないので、今日こそあなたを薄情な人だと思いました)

と返事が来た。「年来仇どうしで憎々しく思っているはずなのに、どうしてこう穏やかな言い方をしたんだろう」とふしぎがる人もあった。帰宅してこんなことを夫に話すと、
「食いつぶしてしまいたいとは言わなかったかね」と上きげんで笑うのであった。

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-10 10:05:20

P.86 の気になるフレーズ

しかしこの山道も、紅葉にはまだ早く、花も散ってしまったあとなので、とり立てていう景色の美しさもないのだが、枯れた薄だけが道端になびいているのに、私はふと心をひかれ、簾を巻き上げ、下簾を車の両側にはさんで見ると、さっと光線がはいってきて着くずれした着物の色が急にちがったように見えてきた。薄紫色の軽羅(うすもの)の裳をひっかけているのだが、腰のあたりに塵がついていて、赤茶けた朽葉にそれがよく調和して見えるのも気晴れがしたものだった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-06-10 10:29:43

P.91 の気になるフレーズ

こうして年月は積もっていくが、思うようにならない身の上を嘆きつづけている身には、べつに年が改まったとしても、うれしいわけではない。相変わらずはかない日常であることを思うと、こんなことを書きしるしていることも、あるかなきかの感じがして、ちょうど「かげろうの日記」とでも名づけたらよいのであろう。

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-10 10:20:21

P.94 の気になるフレーズ

(前略)私も少し離れた所へ移転して行った。するとなぜかあの人も、特にきらきらしく着飾って一日おきに通って来てくれるので、はかないうちにも心満ちた思いになっていった。「錦を着て故郷に帰る」ということばはあるが、古なじみのあの人の心も、いくぶん私の方に立ち帰ってくるように思えた。「

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-11 09:52:20

P.118 の気になるフレーズ

祓えの場所へくたびれきって到着した。ここはたいへん狭い岬で、下の方は波打ちぎわに車を立てた。みんな降り立ったので、「波が寄せすぎて、立場がない」という古い諺そっくりだった。

総コメント数:4 投稿日時:2019-06-11 09:56:28

P.139 の気になるフレーズ

「気分が悪いので、御返事できません」
と言ってやらせて、あきらめていたら、平気な顔をしてやって来られた。あきれていると、何のこだわりもなく戯れかかるので、憎らしくなって、長い年月辛抱していたことを言い出すと、なんとも一言も返事をしないで空寝入りしている。聞きながら寝入ったのが、ふと目をさましたふりをして、
「どうしたの、もう寝たのかね」
と笑って言い、きまりが悪いほどふざけるが、私は木のようにおし黙っていたので、朝早くものも言わないで帰って行った。

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-21 16:56:17

P.158 の気になるフレーズ

はい寄るように近づくと、妹は、
「どんなごようすかと家でお察ししていたよりも、山にはいってみればいっそう心ぼそそうですね。あなたのことばかり気になって、夜も寝め(やすめ)ないくらいです」
と言って、すすり泣くのである。他人のせいじゃなくてこうしているんだから、なんでもないと私はがまんしているが、つい堪えられなくなってしまった。泣いたり笑ったりして、いろいろのことを一晩じゅう語り合って(後略)

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-21 17:06:00

P.174 の気になるフレーズ

几帳を立てて臥している所へ、留守居をしていた侍女たちが、ふいと寄って来て、
「撫子の種を取ろうといたしましたが、根もなくなってしまいました。呉竹も一本倒れてしまいました。手入れをさせましたが」
など気がかりそうに話しかけた。今が今言わなくてもいいことをと思うので、私は返事をもしないでいると、眠っているかと思っていた夫が、ちゃんと聞きつけて、同じ車で帰ってきた妹が障子一つ隔てて臥しているのに、声をかけた。
「お聞きですか。こりゃ大事件ですよ。この世を捨てて家を出て菩提を求める人に、ただ今ここの人が言うのを聞くと、撫子は撫でて大事に育てたとか、呉竹は立てたとか……、まったく言いも言ったものですね」

総コメント数:2 投稿日時:2019-06-21 18:56:54

P.181 の気になるフレーズ

 うへしたとこがるることをたづぬれば胸のほかには鵜舟なりけり
 (上ったり下ったりして常にゆれ動いて火にこがれているものを求めると、それは鵜舟と私の胸の中だけだ)

総コメント数:1 投稿日時:2019-06-21 19:06:02

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