デイヴィッド・コパフィールド 4 の読書会ページ
楽天へのリンク |
デイヴィッド・コパフィールド 4 著者:チャールズ・ディケンズ 出版社:新潮社 (2006年09月) ISBN-10:4102030131 ISBN-13:9784102030134
|
意見、感想、コメントなど
P.312の気になるフレーズ
私は、窓ぎわに立って、古い通り越しに、向い側の家々を眺めた。そういえば、初めてここへ来た頃、雨の午後など、よくこうして眺めたものだった。どこか向いの窓に、人影でも見えると、その人たちのことを考えながら、階段を上り下りするのを、いつまでも見送っていた。下の舗道を、木靴を穿いた女たちが、かたかたと足音を立てて通って行く。鈍い雨が、横なぐりに降り、向うの樋からあふれて、往来へと流れ出してくる。いつもそうした雨の夕暮れだったが、浮浪者たちが、棒の先に荷物をくくり、だらりと肩からぶら下げて、びっこを曳き曳き町へ入ってくる。それらを眺めていたあの気持、それが、急にありありと思い出されるのであり、そういえば、それと一緒に、あの濡れた土、濡れた木の葉の香りや、またあの苦しい旅の間、身体いっぱいに受けた風の感じまでが、まざまざと蘇ってくるのだった。
総コメント数:1 投稿日時:2020-11-17 06:25:42
気になるフレーズへのコメント
1 |
郷愁
このフレーズを読んでいると、昔子供のころ住んでいた家のことを思い出しました。 投稿者:goodbook 投稿日時:2020-11-17 06:25:42 |