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NO. 00015434 DATE 2024 05 03

馬鹿たちの学校 の読書会ページ

馬鹿たちの学校(9784309205533)

馬鹿たちの学校

著者:Sokolov,Sasha,1943- 東海,晃久

出版社:河出書房新社 (201012)

ISBN-10:4309205534

ISBN-13:9784309205533

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P.34の気になるフレーズ

(前略)だって、僕には実際何も残っていないんだから。また間違ったこと言ってやがる。何かは残ったんだよ。昔の自分を取り戻したいって気持ちは残ってるんだし、消滅前の自分がどうだったか思い出せないにしてもさ、俺はあん時は、つまり、アノ時マデは、俺の人生の流れは面白くもあったし、順風満帆だと感じてたし、それにもう一度まさにあの無名の忘れられたナントカになりたかったんだ。

総コメント数:3 投稿日時:2019-06-28 15:09:20

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気になるフレーズへのコメント

1

ワルツ

訳者のあとがきによると、ソコロフは言葉や音楽はそれを生み出した人間が亡くなり、その肉体が消滅した後も「音」として残る、と考えていたようです。ロシア語の原文の至るところで韻が踏まれていたり、回文や二つの単語をくっつけて作った造語が登場し、全編に/―vet―/という音群(Veta,Vetcaなどの人名、veta「ギリシャ語アルファベット」,vetka「小枝·鉄道支線」,vetla「シロヤナギ」,veter「風」,tsvet「色」などの普通名詞)が散り嵌められているのも、作者が「音」としての言葉にこだわりを持って書いていたからなのだとか。前にアップした人間が消滅したあと、例えばワルツとかに変容する云々という謎めいたフレーズもそこに関係しているのかも知れません。

投稿者:kukka55 投稿日時:2019-06-28 15:09:20

2

音ですか。なるほどね。
ということは、この「馬鹿たちの学校」はやっぱりロシア語で読んだ方がいいんでしょうね。自分の語学力の無さを残念に思ってしまいます…。

逆に、日本人が日本語で書いた本を読んでいて、この表現いいなとか思ったとき、
この感覚、音を外国の人にどう伝えればわかってもらえるだろうか
と考えることがあります。この作業って結構楽しいんですが、
たぶん、翻訳者の方はこれに四苦八苦しているんでしょうね。

投稿者:goodbook 投稿日時:2019-06-29 06:10:53

3

翻訳文学の限界

私もこれロシア語で読めたらなぁと何度も思いました。でも、注釈やあとがきを読んでいると翻訳家の方が丹精を込めてなさった仕事だということが伝わって来て、そこも興味深かったです。

私は友達に英語で本の感想を伝えるだけでも四苦八苦しているので、日本語の音の説明なんてまだまだ無理ですが、そのくらい出来るようになったら楽しそうですね!

投稿者:kukka55 投稿日時:2019-06-30 09:16:54