人間の大地 の読書会ページ
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人間の大地 著者:アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ/渋谷豊 出版社:光文社 (2015年08月06日頃) ISBN-10:4334753140 ISBN-13:9784334753146
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意見、感想、コメントなど
気になるフレーズの投稿一覧
P.79 の気になるフレーズ つまり、僕らは今日の世界を把握するのに、一昔前の世界を把握するために作られた言葉を用いているわけだ。今よりも過去の生活の方が僕らの本性に適っているように見えるとしたら、それは過去の生活の方が僕らの言葉としっくり合っているからに過ぎない。 総コメント数:1 投稿日時:2017-07-05 05:54:30 |
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P.85 の気になるフレーズ 道の描く曲線はどれも親切な嘘のようなものだ。その嘘に騙され、たっぷりと水を撒いた土地、果樹園、牧草地ばかりを眺めて旅してきた僕らは、牢獄のイメージをずっと美化してきた。つまり、この地球という牢獄が柔らかくて潤いのあるものだと思い込んできたのだ。 総コメント数:2 投稿日時:2017-07-02 19:12:26 |
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P.89 の気になるフレーズ そんな世界の中で、人間だけが孤独の塔を築いている。人間同士が測り知れないほどの距離によって互いに隔てられているとすれば、それは人間が精神を持っているからに他ならない。 総コメント数:1 投稿日時:2017-07-02 19:18:27 |
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P.102 の気になるフレーズ
僕はあなたの持ち場であるシーツ置場を訪ねては、あなたの真向かいに座って自分の命がけの話をした。それはあなたの心を揺さぶってあなたの目を世界へ開かせるため、あるいは、あなたに道をふみはずさせるためだった。(中略)僕には教会の修道女の信仰心を揺るがすことができないように、彼女の信念を揺るがすこともできなかった。目を覆い、耳を塞いで生きている彼女の慎ましい人生をただ憐れむ他なかった……。 総コメント数:2 投稿日時:2017-07-02 19:34:01 |
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P.109 の気になるフレーズ とにかくすべてが荒廃しているのだ。それも、歳月を経て少しひびの入った苔だらけの老木とか、十数世代にもわたって恋人たちが腰をおろしにやってくる木のベンチとか、そんなものを思わせるような、じつに惚れ惚れする荒廃ぶりだった。天井と壁の板張りは摩耗し、開き戸は虫に食われ、足の長さが不揃いの椅子はぐらぐらしていた。修繕の手はまったく加えられていなかった。ただ、掃除だけは行き届いていた。ここでは掃除に情熱を傾けているのだ。何もかもが清潔で、蠟引きがしてあって、光沢を湛えていた。 総コメント数:1 投稿日時:2017-07-07 05:22:24 |
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P.130 の気になるフレーズ そんな僕らの唯一の敵は静けさだ。飛行場長のリュカは昼も夜も蓄音機を回しつづける。生活らしい生活をはるかかなたに置いてきた僕らに、蓄音機はなかば忘れかけた言葉を話しかけてくる。それを聞いていると、なぜか喉の渇きに似た、理由のない憂鬱に捉われる。 総コメント数:2 投稿日時:2017-07-02 19:43:18 |
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P.133 の気になるフレーズ トンボが一匹、ベルトに吊るしたランプにぶつかる。 総コメント数:1 投稿日時:2017-07-11 05:32:09 |
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P.138 の気になるフレーズ 水は同じ重さの黄金と交換される。 総コメント数:1 投稿日時:2017-07-11 05:43:48 |
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P.148 の気になるフレーズ 「こう言っている。おまえには飛行機と無線がある。おまえにはボナフースがいる。だが、おまえには真実がない、と」 総コメント数:1 投稿日時:2017-07-11 05:51:16 |
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P.182 の気になるフレーズ 俗界はすでにかすみはじめている。もうじきに完全に消滅するはずだ。まだ金色の光に浸っている風景から、すでに何かが消えはじめている。一日のこの時刻ほど魅力的なものはほかに何も知らない。本当に、何一つ知らない。 総コメント数:2 投稿日時:2017-07-04 12:25:48 |