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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス

著者:スティーヴン・H.ストロガッツ/田中久陽

出版社:丸善出版 (2015年01月30日頃)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.207の問題番号「6.5.14」への解答

系$\dot{v} = - \sin \theta - D v^2, \ \ v \dot{\theta} = - \cos \theta + v^2$
(a) $E= v^3 - 3 v \cos \theta$とおくと、$D=0$のとき、
\[ \begin{align} \frac{d E}{dt} &= \frac{\partial E}{\partial v} \dot{v} + \frac{\partial E}{\partial \theta} \dot{\theta} \\
&= (3 v^2 - 3 \cos \theta)( - \sin \theta ) + 3 v \sin \theta \frac{1}{v} ( - \cos \theta + v^2 ) \\
&= -3 \sin \theta ( -\cos \theta + v^2 ) + 3 \sin \theta ( -\cos \theta + v^2 ) \\
&= 0 \end{align} \]となる。したがって、$v^3 - 3 v \cos \theta$は保存量となる。
$D=0$のとき、この系の固定点は$(1, 2 \pi n)$($n$は整数)となる。このとき、ヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} 0 & -1 \\ 2 & 0 \end{pmatrix} \] $\tau = 0, \ \ \Delta = 2>0$となるので、センターと予想される。
この系の相図およびグライダーの飛行経路は添付図のようになる。特徴として、保存量$v^3 - 3v \cos \theta$が$0$となる軌道を境にして飛行経路が変化する。
i) $v^3 - 3v \cos \theta < 0$のとき、相図上の軌道は閉じている。このとき、グライダの飛行経路は上下動はだんだん激しくさせながらも、少しずつ前に進んでいく。
ii) $v^3 - 3v \cos \theta > 0$のとき、相図上の軌道は$\theta$方向に周期的なものになる。このとき、グライダの飛行経路は初期位置を中心にスパイラル軌道を描く。

解答者:goodbook 解答日時:2020-11-14 11:28:59

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問題解答へのコメント

1

(b) $D > 0$のとき、この系の固定点は$((D^2+1)^{-\frac{1}{4}}, \theta^*)$となる。ここで、$\theta^*$は
\[ \sin \theta^* = -\frac{D}{\sqrt{D^2+1}}, \ \ \cos \theta^* = \frac{1}{\sqrt{D^2+1}} \]を満たす。このとき、ヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} -2D(D^2+1)^{-\frac{1}{4}} & -(D^2+1)^{-\frac{1}{2}} \\ 2 & -D(D^2+1)^{-\frac{1}{4}} \end{pmatrix} \\ \tau = -3D(D^2+1)^{-\frac{1}{4}}<0 , \ \ \Delta = 2(D^2+1)^{\frac{1}{2}}>0, \\
\tau^2 - 4 \Delta = \sqrt{D^2+1} - \frac{9}{\sqrt{D^2+1}} \]となる。
i) $0<D<2\sqrt{2}$のとき、$\tau^2 - 4 \Delta < 0$となり、固定点は安定スパイラルになる。
このとき、グライダーの飛行経路は上下動を少しずつ安定させながら、$\theta^*$方向に進んでいく。

投稿者:goodbook 投稿日時:2020-11-14 11:33:34

2

(b)の解答の続き
ii) $D>2\sqrt{2}$のとき、$\tau^2 - 4 \Delta > 0$となり、固定点は安定ノードになる。
このとき、グライダーの飛行経路は最初の傾きによって経路が変わるが、時間が経つと、$\theta^*$方向に安定して進んでいく。

投稿者:goodbook 投稿日時:2020-11-14 11:35:37

3

グライダーの飛行経路の図がことごとく間違っていたので、修正します。
まずは、(a)$D=0$について。
i) $v^3 - 3v \cos \theta < 0$のとき、相図上の軌道は閉じている。このとき、グライダーの飛行経路は上下に動く周期的な軌道を描きながら、前に進んでいく(赤、黒のカーブ)。
ii) $v^3 - 3v \cos \theta > 0$のとき、相図上の軌道は$\theta$方向に周期的なものになる。このとき、グライダの飛行経路は回転しながら前に進んでいく(緑のカーブ)。

投稿者:goodbook 投稿日時:2020-11-15 08:28:25

4

(b) i) $0<D<2\sqrt{2}$のとき、のグライダーの飛行経路の訂正。
この場合、固定点は安定スパイラルになる。
このとき、グライダーの飛行経路は上下動を少しずつ安定させながら、$\theta^*$方向に進んでいく。

投稿者:goodbook 投稿日時:2020-11-15 08:32:48

5

(b) ii) $D>2\sqrt{2}$のとき、のグライダーの飛行経路の訂正。
この場合、固定点は安定ノードになる。
このとき、グライダーの飛行経路は最初の傾きによって経路が変わるが、時間が経つと、$\theta^*$方向に安定して進んでいく。

投稿者:goodbook 投稿日時:2020-11-15 08:35:28