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NO. 00191174 DATE 2024 05 19

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス

著者:スティーヴン・H.ストロガッツ/田中久陽

出版社:丸善出版 (2015年01月30日頃)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.208の問題番号「6.5.19」への解答

モデル$ \dot{R} = a R - bRF, \ \ \dot{F} = -cF + dRF$
(a) $aR$:ウサギの数が多いと、ウサギの数は増える傾向にある。
$-cF$:キツネの数が多いと、キツネの数は減る傾向にある。これは非現実的か。
$-bRF, \ dRF$:ウサギとキツネが出会うと、ウサギが減り、キツネが増える傾向がある。ウサギがキツネに捕食される。

(b) $x = dR/c, \ \ y = bF/a, \ \ \mu = c/a, \ \ \tau = at$とおくと、無次元系
$x' = x(1-y), \ \ y' = \mu y (x-1)$が得られる。

(c) $dy/dx$を考える。
\[ \frac{dy}{dx} = \frac{\dot{y}}{\dot{x}} = \frac{\mu y (x-1)}{x(1-y)} \\
\frac{1-y}{y} dy = \mu \frac{x-1}{x} dx \\
\ln y -y = \mu (x - \ln x) +C \]となる。したがって、保存量は$ E(x,y) = y - \ln y + \mu (x - \ln x)$となる。

(d) この系の固定点は$(0,0), \ \ (1,1)$。また、ヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} 1-y & -x \\ \mu y & \mu (x-1) \end{pmatrix} \]以下、固定点ごとに分類。
\[ (0,0) \ : \ A = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -\mu \end{pmatrix} \] $\tau = 1- \mu, \ \ \Delta = -\mu <0$となるので、サドル点となる。
\[ (1,1) \ : \ A = \begin{pmatrix} 0 & -1 \\ \mu & 0 \end{pmatrix} \] $\tau = 0, \ \ \Delta = \mu >0$となるので、センターと予測される。
ここで、$(1,1)$は明らかに孤立した固定点であり、また、保存量$E(x,y)$は固定点$(1,1)$で
\[ \frac{\partial E}{\partial x} = \mu( 1- \frac{1}{x}) = 0, \ \ \frac{\partial E}{\partial y} = 1-\frac{1}{y} =0, \\
\frac{\partial^2 E}{\partial x^2} = \frac{\mu}{x^2} = \mu > 0, \ \ \frac{\partial^2 E}{\partial x \partial y}=0, \ \ \frac{\partial^2 E}{\partial y^2} = \frac{1}{y^2} = 1 >0 \]となるので、$(1,1)$は$E$の極小点となる、すなわち、非線形なセンターをもつ。
従って、ほとんどすべての初期条件について、両種の個体数が周期的に変動する。
この系の相図は添付図のようになる($\mu=0.5$とした)。

解答者:goodbook 解答日時:2020-11-23 09:04:26

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