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NO. 00188448 DATE 2024 04 30

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス の読書会ページ

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス

著者:スティーヴン・H.ストロガッツ/田中久陽

出版社:丸善出版 (2015年01月30日頃)

ISBN-10:4621085808

ISBN-13:9784621085806

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P.319の問題番号「8.4.10」への解答

(a) ヌルクライン$r'=0, \ \ \phi'=0$はそれぞれ
\[ \sin \phi = -\frac{k r}{F}, \ \ \cos \phi = \frac{r}{4F} (3br^2-4a)\]となる。また、$\sin^2 \phi + \cos^2 \phi=1$より
\[ a= \frac{3}{4} br^2 + \sqrt{ \frac{F^2}{r^2}-k^2 } \]となり、さらに、
\[ \frac{da}{dr} = \frac{3}{2} br-\frac{F^2}{r^2 \sqrt{F^2-k^2r^2}}=0 \]を求める。$b>b_c$のとき、この方程式を$r$について解くと、2つの正の解$r_s, \ r_b$を持つことがわかる。ただし、$r_s<r_b$。この結果を利用して、
\[ a_s= \frac{3}{4} br_s^2 + \sqrt{ \frac{F^2}{r_s^2}-k^2 }, \ \ a_b= \frac{3}{4} br_b^2 + \sqrt{ \frac{F^2}{r_b^2}-k^2 } \]とおく。
i) $a<a_s$のとき、2つのヌルクラインの交点は1つ存在する。
ii) $a=a_s$のとき、交点は2つとなる。
iii) $a_s<a<a_b$のとき、交点は3つとなる。
iv) $a=a_b$のとき、交点は2つとなる。
v) $a>a_b$のとき、交点は1つとなる。
それぞれのケースにおいて、ヌルクラインを相平面内にプロットすると、添付図のようになる。なお、赤いラインが$r'=0$を表し、青いラインが$\phi'=0$を表している。

(b) 平均化された系での固定点におけるヤコビ行列は
\[ J = \begin{pmatrix} -\frac{1}{2}k & -\frac{r}{8}(3br^2-4a) \\ \frac{1}{8r}(9br^2-4a) & -\frac{1}{2}k \end{pmatrix}, \ \ \tau=-k, \ \ \Delta = \frac{27}{64}(br^2-\frac{8}{9} a )^2 +\frac{k^2}{4}-\frac{a^2}{12} \]となる。添付図に$\Delta$を$r$の関数として、プロットしている(薄い黒線)。
i) $a<a_s$のときの1つの交点は$\Delta>0$となっているので、安定である。
ii) $a=a_s$のとき、1つの固定点は$\Delta>0$となり安定、もう一つの交点は$\Delta=0$となり半安定である。
iii) $a_s<a<a_b$のとき、3つの交点があり、そのうち2つの交点は安定、残り1つの交点はサドルである。
iv) $a=a_b$のとき、1つの交点は安定、もう1つの交点は半安定である。
v) $a>a_b$のときの1つの交点は安定である。
以上より、$a$が増加するにつれて、安定な固定点の数が1つから2つに変わり、また1つに戻ることがわかる。

解答者:goodbook 解答日時:2021-05-16 07:42:18

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