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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.257の問題番号「7.5.2」 に対する解答へのコメント

ファン・デル・ポール方程式$\dot{x}=y, \ \ \dot{y}=-x-\mu (x^2-1) y$

初期位置としてヌルクライン$y=\frac{x}{\mu( 1-x^2 )}$にそれほど近接していない第1象限にあり、$x^2-1 \sim \mathcal{O}(1)$となる点を考えると、$|\dot{x}| \sim \mathcal{O}(1)$で、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(\mu) \gg 1$となる。したがって、ベクトル場の流れの速度は水平方向に比べて垂直方向が大きくなり、軌道はほとんど垂直方向下向き($\dot{y}<0$)に動く。やがて軌道はヌルクライン$y=\frac{x}{\mu( 1-x^2 )}, \ x>1$にきわめて近接し、$y \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$となる。つまり、$\dot{x} \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$、$\dot{y}\sim 0$となる。このとき、軌道はヌルクラインの近傍(Aのあたり)に沿ってゆっくりと移動する。その後、$|y|$の値は少しずつ大きくなり、$\dot{x} =y \sim \mathcal{O}(1)$になると、軌道はヌルクラインから離れていき、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(\mu) \gg 1$で点Bのあたりまでほとんど垂直方向に素早く移動する。点Bの近傍では$x^2-1 \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$となるので、$|\dot{x}| \sim \mathcal{O}(1)$、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(1)$で進むが、やがて$x^2-1 \sim \mathcal{O}(1)$となり、$|\dot{x}| \sim \mathcal{O}(1)$、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(\mu) \gg 1$となるので、軌道はほとんど垂直方向上向き($\dot{y}>0$)に動き、やがてヌルクライン$y=\frac{x}{\mu( 1-x^2 )}, \ x<-1$にきわめて近接することになる。このとき、$\dot{x}=y \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$、$\dot{y} \sim 0$となり、軌道はヌルクラインの近傍(Cのあたり)に沿ってゆっくりと移動する。その後は$|y|$の値が少しずつ大きくなり、$\dot{x} \sim \mathcal{O}(1)$になると、軌道はヌルクラインから離れていき、点Dのあたりにほとんど垂直方向上向きに素早く移動し、ここを通過した後、今度は垂直方向下向き($\dot{y}<0$)に素早く動き、点A付近に戻る。以降はこの動きを繰り返す。

リエナール平面の利点としては、リミットサイクルの領域をある程度定量的に求めることができるため、リミットサイクルの周期などを見積もりやすい点などが挙げられる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-17 05:26:57

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.257の問題番号「7.5.2」 に対する解答

ファン・デル・ポール方程式$\dot{x}=y, \ \ \dot{y}=-x-\mu (x^2-1) y$

初期位置としてヌルクライン$y=\frac{x}{\mu( 1-x^2 )}$にそれほど近接していない第1象限にあり、$x^2-1 \sim \mathcal{O}(1)$となる点を考えると、$|\dot{x}| \sim \mathcal{O}(1)$で、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(\mu) \gg 1$となる。したがって、ベクトル場の流れの速度は水平方向に比べて垂直方向が大きくなり、軌道はほとんど垂直方向下向き($\dot{y}<0$)に動く。やがて軌道はヌルクライン$y=\frac{x}{\mu( 1-x^2 )}, \ x>1$にきわめて近接し、$y \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$となる。つまり、$\dot{x} \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$、$\dot{y}\sim 0$となる。このとき、軌道はヌルクラインの近傍(Aのあたり)に沿ってゆっくりと移動する。その後、$|y|$の値は少しずつ大きくなり、$\dot{x} =y \sim \mathcal{O}(1)$になると、軌道はヌルクラインから離れていき、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(\mu) \gg 1$で点Bのあたりまでほとんど垂直方向に素早く移動する。点Bの近傍では$x^2-1 \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$となるので、$|\dot{x}| \sim \mathcal{O}(1)$、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(1)$で進むが、やがて$x^2-1 \sim \mathcal{O}(1)$となり、$|\dot{x}| \sim \mathcal{O}(1)$、$|\dot{y}| \sim \mathcal{O}(\mu) \gg 1$となるので、軌道はほとんど垂直方向上向き($\dot{y}>0$)に動き、やがてヌルクライン$y=\frac{x}{\mu( 1-x^2 )}, \ x<-1$にきわめて近接することになる。このとき、$\dot{x}=y \sim \mathcal{O}(\mu^{-1})$、$\dot{y} \sim 0$となり、軌道はヌルクラインの近傍(Cのあたり)に沿ってゆっくりと移動する。その後は$|y|$の値が少しずつ大きくなり、$\dot{x} \sim \mathcal{O}(1)$になると、軌道はヌルクラインから離れていき、点Dのあたりにほとんど垂直方向上向きに素早く移動し、ここを通過した後、今度は垂直方向下向き($\dot{y}<0$)に素早く動き、点A付近に戻る。以降はこの動きを繰り返す。

リエナール平面の利点としては、リミットサイクルの領域をある程度定量的に求めることができるため、リミットサイクルの周期などを見積もりやすい点などが挙げられる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-16 06:29:47

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.257の問題番号「7.5.1」 に対する解答

まず$x_B$は$y=F(x)$の極小点であるので、
\[ F'(x)=x^2-1=0, \ \ F''(x)=2x>0 \]より、$x_B=1$が得られる。
次に、$x_A$は、$F(x_A)$が極大値$2/3$と同じ値をもち、かつ$x_A>0$であるので、
\[ \frac{1}{3} x^3 -x = \frac{2}{3}, \ \ \to \ \ (x+1)^2(x-2)=0 \]より、$x_A=1$が得られる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-15 05:04:38

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.256の問題番号「7.4.2」 に対する解答

方程式$\ddot{x}+\mu (x^4-1) \dot{x} + x = 0$
(a)$f(x)= \mu(x^4-1), \ \ g(x)=x$とおくと、
(1) $f(x)$および$g(x)$はすべての$x$に対して連続微分可能。
(2) $g(-x) = -x = -g(x)$となり、$g(x)$は奇関数。
(3) $x>0$に対して$g(x)=x > 0$。
(4) $f(-x)= \mu ( (-x)^4 - 1 ) = \mu (x^4-1) = f(x)$となり、$f(x)$は偶関数。
(5) $F(x)= \frac{1}{5} \mu x (x^4 - 5)$となるので、$a=5^{\frac{1}{4}}$とすると、$\mu>0$のとき、$F(x)$は$x=a$でのみ$0$となり、$0<x<a$では負、$x>a$では正の値をもつ非減少関数であり、$x \to \infty$では$F(x) \to \infty$となる。
したがって、リエナールの定理より、この方程式は$\mu>0$で唯一の安定なリミットサイクルをもつ。

(b) 方程式をベクトル場で表すと、
$\dot{x} = y, \ \ \dot{y}=-x-\mu(x^4-1)y$
となる。この系の固定点は原点のみで、$\mu=1$のときは不安定スパイラルとなる。
$\mu=1$のときの相図は添付図のようになる。

(c) この系を時間反転した方程式は$\ddot{x}-\mu (x^4-1) \dot{x} + x = 0$となる。このとき、$f(x)= -\mu(x^4-1), \ \ g(x)=x$とおくと、$\mu<0$の場合にリエナールの定理の条件をすべて満たす(条件(5)は$a=5^{\frac{1}{4}}$で成り立つ)ので、時間反転した系は$\mu<0$で唯一の安定なリミットサイクルをもつ。したがって、$\mu<0$の場合は、唯一の不安定なリミットサイクルをもつ。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-14 08:10:10

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.256の問題番号「7.4.1」 に対する解答

方程式$\ddot{x}+\mu (x^2-1) \dot{x} + \tanh x = 0$
解)$f(x)= \mu(x^2-1), \ \ g(x)=\tanh x$とおくと、
(1) $f(x)$および$g(x)$はすべての$x$に対して連続微分可能。
(2) $g(-x) = \tanh(-x) = -\tanh x = -g(x)$となり、$g(x)$は奇関数。
(3) $x>0$に対して$g(x)=\tanh x > 0$。
(4) $f(-x)= \mu ( (-x)^2 - 1 ) = \mu (x^2-1) = f(x)$となり、$f(x)$は偶関数。
(5) $F(x)= \frac{1}{3} \mu x (x^2 - 3)$となるので、$a=\sqrt{3}$とすると、$\mu>0$のとき、$F(x)$は$x=a$でのみ$0$となり、$0<x<a$では負、$x>a$では正の値をもつ非減少関数であり、$x \to \infty$では$F(x) \to \infty$となる。
したがって、リエナールの定理より、この方程式は$\mu>0$のとき安定な周期解をちょうど1つ持つ。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-14 06:46:36

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.256の問題番号「7.3.11」 に対する解答へのコメント

系$\dot{r} = r(1-r^2)[ r^2 \sin^2 \theta +( r^2 \cos^2 \theta -1 )^2 ]$
$dot{\theta} = r^2 \sin^2 \theta +( r^2 \cos^2 \theta -1 )^2$

(a) この系の相図は添付図のようになる。単位円上に2つの固定点$(1,0), \ \ (-1,0)$をもつ循環グラフとなる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-13 12:27:07

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.256の問題番号「7.3.11」 に対する解答

系$\dot{r} = r(1-r^2)[ r^2 \sin^2 \theta +( r^2 \cos^2 \theta -1 )^2 ]$
$dot{\theta} = r^2 \sin^2 \theta +( r^2 \cos^2 \theta -1 )^2$

(a) この系の相図は添付図のようになる。単位円上に2つの固定点$(1,0), \ \ (-1,0)$をもつ循環グラフとなる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-13 12:26:15

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.256の問題番号「7.3.10」 に対する解答

2次元系$\dot{\boldsymbol{x}} = A \boldsymbol{x} - r^2 \boldsymbol{x}$、$A$は固有値$\alpha \pm i \omega$をもつ。

行列$A$を
\[ A = \begin{pmatrix} \alpha & -\omega \\ \omega & \alpha \end{pmatrix} \]とおいても一般性は変わらない。
このとき、この系を極座標で表すと、
\[ \dot{r} = r ( \alpha - r^2 ), \ \ \dot{\theta} = \omega \]となる。

i) $\alpha > 0$のとき、動径方向と角度方向のダイナミクスは分離しているので、それぞれ個別にしらべる。動径方向のダイナミクスを直線上のベクトル場として取り扱うことにより、$r^*=0$は不安定固定点であり、$r^*=\sqrt{\alpha}$は安定固定点であることがわかる。したがって、相平面に戻って考えると、($r^*=0$を除く)すべての軌道は$r^*=\sqrt{\alpha}$の円に単調に近づいていくことがわかる。角度方向の運動は単に一定角速度$\omega$での回転なので、すべての軌道は$r=\sqrt{\alpha}$のリミットサイクルへ漸近的に巻き付いていく。すなわち、すくなくとも1つリミットサイクルが存在する。
ii) $\alpha < 0$のとき、$g(\boldsymbol{x})=1$と選ぶと、
\[ \nabla \cdot (g \dot{\boldsymbol{x}}) = 2(\alpha - r^2 ) < 0 \]となる。領域$R^2$は単連結であり、関数$g$および$\boldsymbol{f} = A \boldsymbol{x} - r^2 \boldsymbol{x}$は滑らかさの条件を満たしているので、デュラックの判定法により、リミットサイクルは1つも存在しない。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-13 07:12:33

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.256の問題番号「7.3.9」 に対する解答

系$\dot{r}=r(1-r^2) + \mu r \cos \theta, \ \ \dot{\theta} = 1$
(a) $r(\theta) = 1+ \mu r_1( \theta ) + \mathcal{O} ( \mu^2 ) $とおく。このとき、
\[ \frac{d r}{d \theta} = \frac{ \dot{r} }{ \dot{\theta} } = r(1-r^2) + \mu r \cos \theta \]となるので、この式に$r(\theta)$を代入すると、$r_1(\theta)$の式として、\[ \frac{d r_1}{d \theta} = -2 r_1 + \cos \theta \]となる。この方程式を解いて、$r_1(\theta)$を陽に求めると、
\[ r_1(\theta) = \frac{1}{5} ( \sin \theta + 2 \cos \theta ) + C e^{-2 \theta} = \frac{1}{\sqrt{5}} \sin ( \theta + \alpha ) + C e^{-2 \theta} \]となる。ここで、$\sin \alpha = 2/\sqrt{5}, \ \ \cos \alpha = 1/\sqrt{5}$であり、$C$は積分定数である。

(b) $\theta$がある程度大きくなると、定数項$Ce^{-2 \theta}$は無視できる。このとき、$-1/\sqrt{5} \leq r_1 \leq 1/\sqrt{5}$となるので、
\[ 1-\frac{\mu}{\sqrt{5}} \leq r \leq 1+\frac{\mu}{\sqrt{5}} \]となる。一方、$\mu \ll 1$のとき、
\[ \sqrt{1 \pm \mu} \approx 1 \pm \frac{1}{2} \mu \]であるので、求めた近似解は$\sqrt{1-\mu} < r < \sqrt{1+\mu}$の円環内に存在することがわかる。

(c) $\mu=0.1$のときの数値解と近似解のプロットを添付図に示す。
その他にもいくつかの$\mu$でプロットした結果、両者の最大誤差は$\mu^2/10$程度であることが分かった。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-11 13:35:58

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.8」 に対する解答

系$\dot{r}=r(1-r^2) + \mu r \cos \theta, \ \ \dot{\theta} = 1$
$\mu<1$の場合は、例題7.3.1でポアンカレ-ベンディクソンの定理により閉軌道が存在することが示されているので、$\mu \geq 1$について、さまざまな値に対して相図をプロットしてみた。その結果、$\mu$が大きくなるにつれて、閉軌道は下部の方が原点に近づいていくことがわかる。閉軌道が存在しなくなる臨界があるとすれば、この閉軌道が原点を通るときであると考えられる。そこで、原点近傍での軌道のふるまいを考えてみると、系は
$\dot{r} \approx r + \mu r \cos \theta, \ \ \dot{\theta} = 1$
に従うと考えられる。このとき、任意の$\theta$に対して、
$ 1+ \mu \cos \theta \geq 1-\mu$
であるので、ある原点近傍の点$( r_0, \theta_0 )$から出発する軌道は、時間$t$が経過しても動径方向が$r_0 e^{(1-\mu)t} >0$より小さくなることはない。したがって、閉軌道は原点を通ることはないので、閉軌道はすべての$\mu>0$に対して存在する。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-11 08:17:44

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