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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.7」 に対する解答へのコメント

系$\dot{x}=y + ax(1-2b-r^2), \ \ \dot{y} = -x + a y (1-r^2), \ \ 0 < a \leq 1, \ \ 0 \leq b < \frac{1}{2}$

(a) この系を極座標で表すと、
\[ \dot{r} = a r ( 1 - b ( \cos 2 \theta + 1 ) - r^2 ), \ \ \ \dot{\theta} = -1 +ab \sin 2 \theta \]となる。

(b) この系は原点に固定点を持つ。原点でのヤコビ行列は
\[ A =\begin{pmatrix} a(1-2b) & 1 \\ -1 & a \end{pmatrix}, \\ \tau=2a(1-b)>0, \ \ \Delta = a^2 (1-2b) + 1 >0, \ \ \tau^2 -4 \Delta = 4(a^2 b^2-1) <0 \]となるので、不安定スパイラルとなる。
次に、原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に外向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}>0$、すなわち、
\[ r^2 < 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \]となる$r$を選べばよい。$1-2b \leq 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \leq 1$であるので、これを満たす最大半径は
\[ r_1 = \sqrt{1-2b} \]となる。一方、原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に内向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}<0$、すなわち、
\[ r^2 > 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \]となる$r$を選べばよい。$1-2b \leq 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \leq 1$であるので、これを満たす最小半径は
\[ r_2 = 1 \]となる。
したがって、この系とトラッピング領域$r_1 \leq r \leq r_2$はポアンカレ-ベンディクソンの定理の仮定を満たすので、少なくとも1つはリミットサイクルが存在する。
また、リミットサイクルの周期は
\[ T(a,b) = \int_0^{2 \pi} \frac{dt}{d \theta} d \theta = \int_0^{2 \pi} \frac{d \theta}{1 -a b \sin 2 \theta } = \int_0^{2 \pi} \frac{d \theta}{1 -a b \sin \theta } = \frac{2 \pi}{ \sqrt{1-a^2 b^2} } \]となる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-06 10:00:09

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.7」 に対する解答

系$\dot{x}=y + ax(1-2b-r^2), \ \ \dot{y} = -x + a y (1-r^2), \ \ 0 < a \leq 1, \ \ 0 \leq b < \frac{1}{2}$

(a) この系を極座標で表すと、
\[ \dot{r} = a r ( 1 - b ( \cos 2 \theta + 1 ) - r^2 ), \ \ \ \dot{\theta} = -1 +ab \sin 2 \theta \]となる。

(b) この系は原点に固定点を持つ。原点でのヤコビ行列は
\[ A =\begin{pmatrix} a(1-2b) & 1 \\ -1 & a \end{pmatrix}, \\ \tau=2a(1-b)>0, \ \ \Delta = a^2 (1-2b) + 1 >0, \ \ \tau^2 -4 \Delta = 4(a^2 b^2-1) <0 \]となるので、不安定スパイラルとなる。
次に、原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に外向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}>0$、すなわち、
\[ r^2 < 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \]となる$r$を選べばよい。$1-2b \leq 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \leq 1$であるので、これを満たす最大半径は
\[ r_1 = \sqrt{1-2b} \]となる。一方、原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に内向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}<0$、すなわち、
\[ r^2 > 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \]となる$r$を選べばよい。$1-2b \leq 1 - b( \cos 2 \theta + 1 ) \leq 1$であるので、これを満たす最小半径は
\[ r_2 = 1 \]となる。
したがって、この系とトラッピング領域$r_1 \leq r \leq r_2$はポアンカレ-ベンディクソンの定理の仮定を満たすので、少なくとも1つはリミットサイクルが存在する。
また、リミットサイクルの周期は
\[ T(a,b) = \int_0^{2 \pi} \frac{dt}{d \theta} d \theta = \int_0^{2 \pi} \frac{d \theta}{1 -a b \sin 2 \theta } = \int_0^{2 \pi} \frac{d \theta}{1 -a b \sin \theta } = \frac{2 \pi}{ \sqrt{1-a^2 b^2} } \]となる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-06 09:57:56

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.6」 に対する解答

振り子の方程式$\ddot{x}+F(x,\dot{x})\dot{x}+x = 0$
ただし、$r^2 = x^2 + \dot{x}^2$として、$r \leq a$で$F(x,\dot{x})<0$、$r \geq b$で$F(x,\dot{x})>0$。

(a) $F(x,\dot{x})\dot{x}$の項は振り子の減衰項とみなすことができる。
$r \leq a$のとき$F(x,\dot{x})<0$となるので、減衰項は振り子の振幅が増幅される方向に働き、一方、$r \geq b$のとき$F(x,\dot{x})>0$となるので、減衰項は振り子の振幅が減衰される方向に働く。

(b)$\dot{x}=y$とおくと、方程式は
$\dot{x}=y, \ \ \dot{y}=-x - F(x,y) y$
と表すことができる。
この系は原点に唯一の固定点をもつ。ヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ -1-\frac{\partial F}{\partial x}y & -\frac{\partial F}{\partial y}y -F \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 0 & 1 \\ -1 & -F(0,0) \end{pmatrix}, \ \ \tau=-F(0,0)>0, \ \ \Delta =1 \]となるので、不安定な固定点となる。
次に、この系を極座標で表すと、
\[ \dot{r} = - rF \frac{1-\cos 2 \theta }{2}, \ \ \dot{\theta} = - \left( \frac{F}{2} \sin 2 \theta + 1 \right) \]となる。$0 \leq (1-\cos 2 \theta )/2 \leq 1$であるので、$F(x,y)$の仮定から、$a \leq r \leq b$の領域はトラッピング領域とみなすことができる。したがって、ポアンカレ-ベンディクソンの定理より、$a<r<b$の領域に少なくとも1つ閉軌道が存在することがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-04 06:23:40

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.5」 に対する解答

系$\dot{x}=-x-y+x(x^2+2y^2), \ \ \dot{y} = x-y+y(x^2 + 2 y^2)$
この系は原点に固定点を持つ。原点でのヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} -1+3x^2+2y^2 & -1 +4xy\\ 1+2xy & -1 + x^2+6y^2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -1 & -1 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}, \ \ \tau=-2, \ \ \Delta =2, \ \ \tau^2 -4 \Delta = -4 \]となるので、安定スパイラルとなる。
ここで、この系を時間反転($t \to -t$)した系
$\dot{x}=x+y-x(x^2+2y^2), \ \ \dot{y} = -x+y-y(x^2 + 2 y^2)$
を考える。この場合、原点は不安定スパイラルとなる。
次に、時間反転した系を極座標で表すと、
\[ \dot{r} = r - \frac{r^3}{2} (3+\cos 2 \theta), \ \ \dot{\theta} = -1 \]となる。
原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に外向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}>0$、すなわち、
\[ r^2 < \frac{2}{3+\cos 2 \theta} \]となる$r$を選べばよい。$1/2 \leq 2/(3+\cos 2 \theta ) \leq 1$であるので、これを満たす最大半径は
\[ r_1 = \frac{1}{\sqrt{2}} \]となる。一方、原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に内向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}<0$、すなわち、
\[ r^2 > \frac{2}{3+\cos 2 \theta} \]となる$r$を選べばよい。$1/2 \leq 2/(3+\cos 2 \theta ) \leq 1$であるので、これを満たす最小半径は
\[ r_2 = 1 \]となる。
したがって、時間反転した系とトラッピング領域$r_1 \leq r \leq r_2$はポアンカレ-ベンディクソンの定理の仮定を満たすので、このトラッピング領域に周期解を持つことがわかる。最後に周期解は時間反転しても周期解となるので、元の系にも少なくとも1つは周期解を持つことがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-03 05:37:17

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.4」 に対する解答

系$\dot{x} = x(1-4x^2-y^2) - \frac{1}{2}y(1+x), \ \ \dot{y} = y(1-4x^2-y^2) + 2x(1+x)$
(a) この系の固定点は原点のみ。原点でのヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} 1-12x^2 - y^2 -\frac{1}{2} y & -2xy - \frac{1}{2}(1+x) \\ -8xy+2+4x & 1-4x^2-3y^2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & -\frac{1}{2} \\ 2 & 1 \end{pmatrix}, \\ \tau=2, \ \ \Delta =2, \ \ \tau^2 -4 \Delta = -4 \]となるので、不安定スパイラルとなる。

(b) $V=(1-4x^2-y^2)^2$として、$\dot{V}$を考えると、
\[ \dot{V} = -4(1-4x^2-y^2)(4x\dot{x}+y\dot{y}) = -4(4x^2+y^2)(1-4x^2-y^2)^2 \leq 0 \]となる。これは原点を除く任意の点から始まる軌道は時間が経つにつれて、$V$が小さくなる向きに進み、やがて楕円$4x^2+y^2=1$に近づいていくと、$\dot{V}$は$0$に近づき、この楕円近傍に留まり続けることを表している。つまり、すべての軌道が$t \to \infty$で楕円$4x^2+y^2=1$に近づいていくことが分かる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-02 05:16:02

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.3」 に対する解答

系$\dot{x}=x-y-x^3, \ \ \dot{y} = x+y-y^3$
この系は原点に固定点を持つ。原点でのヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} 1-3x^2 & -1 \\ 1 & 1-3y^2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & -1 \\ 1 & 1 \end{pmatrix}, \ \ \tau=2, \ \ \Delta =2, \ \ \tau^2 -4 \Delta = -4 \]となるので、不安定スパイラルとなる。
次に、この系を極座標で表すと、
\[ \dot{r} = r - \frac{r^3}{4} (3+\cos 4 \theta), \ \ \dot{\theta} = 1 - \frac{r^2}{4} \sin 4 \theta \]となる。
原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に外向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}>0$、すなわち、
\[ r^2 < \frac{4}{3+\cos 4 \theta} \]となる$r$を選べばよい。$1 \leq 4/(3+\cos 4 \theta ) \leq 2$であるので、これを満たす最大半径は
\[ r_1 = 1 \]となる。一方、原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に内向きの成分をもつためには、任意の$\theta$について$\dot{r}<0$、すなわち、
\[ r^2 > \frac{4}{3+\cos 4 \theta} \]となる$r$を選べばよい。$1 \leq 4/(3+\cos 4 \theta ) \leq 2$であるので、これを満たす最小半径は
\[ r_2 = \sqrt{2} \]となる。
したがって、この系とトラッピング領域$r_1 \leq r \leq r_2$はポアンカレ-ベンディクソンの定理の仮定を満たすので、このトラッピング領域に周期解を持つ。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-02-01 05:11:49

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.2」 に対する解答

演習問題7.3.1の系$\dot{x}=x-y-x(x^2+5y^2), \ \ \dot{y} = x+y-y(x^2+y^2)$の相図は添付図のようになる。
添付図よりリミットサイクルがトラッピング領域内にあることがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-01-31 08:46:59

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.255の問題番号「7.3.1」 に対する解答

7.3.1
系$\dot{x}=x-y-x(x^2+5y^2), \ \ \dot{y} = x+y-y(x^2+y^2)$
(a) 原点でのヤコビ行列は
\[ A = \begin{pmatrix} 1-3x^2-5y^2 & -1-10xy \\ 1-2xy & 1-x^2-3y^2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & -1 \\ 1 & 1 \end{pmatrix}, \ \ \tau=2, \ \ \Delta =2, \ \ \tau^2 -4 \Delta = -4 \]となるので、不安定スパイラルとなる。

(b) $ \dot{r} = r - r^3 (1+\sin^2 2 \theta), \ \ \dot{\theta} = 1 + r^2 \sin 2\theta ( 1- \cos 2\theta )$

(c) 原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に外向きの成分をもつためには、$\dot{r}>0$が任意の$\theta$について成り立てばよい。つまり、
\[ r^2 < \frac{1}{1+\sin^2 2 \theta} \]が任意の$\theta$で成り立つ。$1 \leq 1+\sin^2 2 \theta \leq 2$であるので、外向きの成分をもつような最大半径は
\[ r_1 = \frac{1}{\sqrt{2}} \]となる。

(d) 原点を中心とする円で、その上ですべての軌道が動径方向に内向きの成分をもつためには、$\dot{r}<0$が任意の$\theta$について成り立てばよい。つまり、
\[ r^2 > \frac{1}{1+\sin^2 2 \theta} \]が任意の$\theta$で成り立つ。$1 \leq 1+\sin^2 2 \theta \leq 2$であるので、内向きの成分をもつような最大半径は
\[ r_2 = 1 \]となる。

(e) この系とトラッピング領域$r_1 \leq r \leq r_2$はポアンカレ-ベンディクソンの定理の仮定を満たすので、このトラッピング領域にリミットサイクルを持つ。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-01-30 14:34:42

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.254の問題番号「7.2.17」 に対する解答

まず、孔を囲まない領域では、デュラックの判定法の仮定が成立しているので、閉軌道は存在しない。次に、
孔を囲む2つの閉軌道$C_1, \ \ C_2$があり、$C_2$が囲む領域の内部に$C_1$が入るとする。$C_1$と$C_2$の間の領域を$A$とすると、グリーンの定理より
\[ \iint_A \nabla \cdot (g \dot{\boldsymbol{x}}) = \oint_{C_2} g \dot{\boldsymbol{x}} \cdot \boldsymbol{n} dl - \oint_{C_1} g \dot{\boldsymbol{x}} \cdot \boldsymbol{n} dl \]が成り立つ。このとき、右辺は、それぞれの線積分が$0$となるので、全体としても$0$となる。一方、左辺はデュラックの判定法の仮定が成立しているので、$A$が$0$でない限り、$0$にはならない。つまり、グリーンの定理が成り立つためには、$C_1$と$C_2$が同一である必要がある。
したがって、領域$R$が円環と位相同型である場合、$R$には高々1つの閉軌道が存在する。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-01-30 06:10:42

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.254の問題番号「7.2.16」 に対する解答

領域$R$が単連結でない例として、円柱上のベクトル場を考える。例えば、系$\dot{x}=-x, \ \ \dot{\phi} = 1$とする。この系は円$x=0$に閉軌道を持つ。
一方で、実数値関数$g(\boldsymbol{x})=1$とおくと、
\[ \nabla \cdot (g \dot{\boldsymbol{x}}) = \frac{\partial}{\partial x} (-x) + \frac{\partial}{\partial \phi} 1 = -1 \]となるので、$\nabla \cdot (g \dot{\boldsymbol{x}})$は$R$全体にわたり負の符号しかもたない。
以上のことより、領域$R$が単連結でない場合、デュラックの判定法の結論は成立しなくなることがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-01-30 06:08:28

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