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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.372の問題番号「9.1.1」 に対する解答

(a) 角度$\theta$での水の質量分布$m(\theta,t)$に対して、慣性モーメントは$m(\theta,t)r^2$となるので、
\[ I_{\mathrm{water}}=\int_0^{2\pi}m(\theta,t)r^2d \theta=r^2\int_0^{2\pi}m(\theta,t)d\theta=Mr^2 \]と表示できる。
(b) まず、$\dot{M}$は、
\[ \dot{M}=\int_0^{2\pi}\frac{\partial m(\theta,t)}{\partial t} d\theta \]と表せる。次に、連続の式(9.1.2)を用いると、
\[ \begin{align}
\dot{M} &= \int_0^{2\pi} \left[ Q(\theta)-Km(\theta,t)-\omega \frac{\partial m}{\partial \theta} \right] d\theta \\
&= \int_0^{2\pi}Q(\theta)d\theta-K \int_0^{2\pi}m(\theta,t)d\theta-\omega \int_0^{2\pi} \frac{\partial m}{\partial \theta} d\theta \\
&= Q_{\mathrm{total}}-KM-\omega(m(2\pi,t)-m(0,t)) \\
&= Q_{\mathrm{total}}-KM
\end{align}
\]となることがわかる。
(c) $\dot{M}=Q_{\mathrm{total}}-KM$より$M$は時間経過するにつれて、安定な固定点$M^*=Q_{\mathrm{total}}/K$に近づくことがわかる。したがって、慣性モーメントは$t \to \infty$で
\[ I(t) \to I_{\mathrm{wheel}}+\frac{r^2 Q_{\mathrm{total}}}{K} \]になることがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-08-03 04:49:01

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.324の問題番号「8.7.12」 に対する解答

$N$個の同一の振動子系
\[ \dot{\theta}_i=f(\theta_i)+\frac{K}{N}\sum_{j=1}^Nf(\theta_j) \ \ (i=1,\cdots,N) \]$f(\theta)$は滑らかで$2\pi$周期的、すべての$\theta$について$f(\theta)>0$。
解)同相解を$\theta_1(t)=\cdots=\theta_N(t)=\theta^*(t)$とおくと、$N$個すべての方程式は
\[ \frac{d\theta^*(t)}{dt}=(1+K)f(\theta^*) \]となり、同相解は周期的となる。
次に、同相解の安定性を決定するため、$\eta_i(t)$を無限小の摂動として、$\theta_i(t)=\theta^*(t)+\eta_i(t)$とすると、
\[\dot{\eta}_i(t)=f'(\theta^*)\eta_i+Kf'(\theta^*)\frac{1}{N}\sum_{j=1}^N\eta_j \]が得られる。ここで、$\eta$の2次の項を落とした。
変数を
\[ \mu=\frac{1}{N}\sum_{j=1}^N\eta_j, \ \ \xi_i=\eta_{i+1}-\eta_i \ \ (i=1,\cdots,N-1) \]と変換することによって分解できて、
\[ \dot{\mu}(t)=(1+KN)f'(\theta^*)\mu(t), \ \ \dot{\xi}_i(t)=f'(\theta^*)\xi_i(t) \ \ (i=1,\cdots,N-1) \]となる。これらの方程式を変数分離すると、
\[ \frac{d\mu}{\mu}=\frac{(1+KN)f'(\theta^*)}{(1+K)f(\theta^*)}d\theta^*, \ \ \frac{d\xi_i}{\xi_i}=\frac{f'(\theta^*)}{(1+K)f(\theta^*)}d\theta^* \]となるので、閉軌道$\theta^*$を1周した後の摂動の変化は
\[ \ln\frac{\mu(T)}{\mu(0)}=\frac{1+KN}{1+K}[ \ln f(\theta^*) ]_0^{2\pi}=0, \ \ \frac{\xi_i(T)}{\xi_i(0)}=\frac{1}{1+K}[ \ln f(\theta^*) ]_0^{2\pi}=0 \]となり、$\mu(T)=\mu(0), \ \ \xi_i(T)=\xi_i(0)$が得られる。よって、すべての$i$に対して$\eta_i(T)=\eta_i(0)$である。つまり、閉軌道を1周しても摂動はすべて変化しない。したがって、特性乗数はすべて$\lambda_j=1$となる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-08-01 11:33:09

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

P.324の問題番号「8.7.11」 に対する解答

$N$次元の系
\[ \dot{\phi}_i=\Omega+a \sin \phi_i + \frac{1}{N} \sum_{j=1}^N \sin \phi_i \]に対し、変数変換$\phi_i \to \phi_i+\frac{\pi}{2}$とすると、系は
\[ \dot{\phi}_i=\Omega+a \cos \phi_i + \frac{1}{N} \sum_{j=1}^N \cos \phi_i \]と書き直すことができる。このとき、系は
\[ t \to -t, \ \ \phi_i \to -\phi_i + 2\pi n \]の変換に対して可逆となる。同相解$\phi^*(t)$の方程式
\[ \frac{d \phi^*}{dt}=\Omega+(a+1) \cos \phi^* \]も$t \to -t, \ \ \phi^* \to -\phi^* + 2\pi n$に対して可逆となる。
これは、同相解が$\phi^*(t)=-\phi^*(-t)+2\pi n$を満たすことを示す。特に、$t=0$のとき、$\phi^*(0)=-\phi^*(0)+2\pi n$となるので、
\[ \phi^*(0) = \pi n \]となる。
次に、$T\neq T'$として、$\phi^*(t)$が
\[ \phi^*(T)=\pi n + 2\pi, \ \ \phi^*(-T') = \pi n - 2\pi \]を満たすと仮定する。これは、閉軌道を1周するごとに帰還時間が変化する、つまり、同相状態は吸引的であることを示す。
しかし、これは$\phi^*(T)=-\phi^*(-T)+2\pi n$であることから、
\[ \phi^*(-T)=\phi^*(-T')=\pi n - 2\pi \]となり、$T \neq T'$であることに反する。
したがって、同相状態は吸引的ではないことが示される。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-31 12:47:40

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.324の問題番号「8.7.10」 に対する解答

閉軌道をもつ系$\dot{\boldsymbol{x}}=\boldsymbol{f}(\boldsymbol{x})$のフロケ乗数の導出方法

断面$S$上の点を$\boldsymbol{x}_0$とし、$\boldsymbol{x}(0)=\boldsymbol{x}_0$とすると、この系の一般解は
\[ \boldsymbol{x}(t)=\boldsymbol{\varphi}(t,\boldsymbol{x}_0) \]と表すことができる。このとき、帰還時間を$T$とすると、ポアンカレ写像$P$は
\[ P(\boldsymbol{x}_0)=\boldsymbol{\varphi}(T, \boldsymbol{x}_0) \]となる。この式から固定点$\boldsymbol{x}^*$における線形化したポアンカレ写像は
\[ DP(\boldsymbol{x}^*)=\left. \frac{\partial \boldsymbol{\varphi}(T, \boldsymbol{x}_0)}{\partial \boldsymbol{x}_0} \right|_{\boldsymbol{x}_0=\boldsymbol{x}^*} \]と書くことができる。一方、
\[ \frac{d}{dt} \frac{\partial \boldsymbol{\varphi}(t,\boldsymbol{x}_0)}{\partial \boldsymbol{x}_0} = \frac{\partial \boldsymbol{f}(\boldsymbol{x})}{\partial \boldsymbol{x}} \frac{\partial \boldsymbol{\varphi}(t,\boldsymbol{x}_0)}{\partial \boldsymbol{x}_0} \]が成り立つので、
\[ \left. \frac{\partial \boldsymbol{\varphi}(t,\boldsymbol{x}_0)}{\partial \boldsymbol{x}_0} \right|_{t=0} = \boldsymbol{I} \]を初期値として、この式を$0$から$T$まで数値積分すると、$DP(x^*)$を得ることができる。ここで、$\boldsymbol{I}$は単位行列。最後に、$DP(x^*)$の特性方程式を解くことにより、数値的にフロケ乗数を求めることができる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-27 04:30:26

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.323の問題番号「8.7.9」 に対する解答

系$\dot{r}=r-r^2, \ \ \dot{\theta}=1$
(a) $r_0$を$S$上の初期点とする。$\dot{\theta}=1$なので、最初に$S$に戻るのは帰還時間$t=2\pi$の後となる。よって$r_1=P(r_0)$で、$r_1$は
\[ \int_{r_0}^{r_1} \frac{dr}{r(1-r)}=\int_0^{2\pi}dt=2\pi \]を満たす。この式より
\[ r_1=(1-(1-r_0^{-1})e^{-2\pi})^{-1} \]となる。ゆえにポアンカレ写像$P$は
\[ P(r)=(1-(1-r^{-1})e^{-2\pi})^{-1} \]となる。
(b) 固定点は$P$のグラフが45°の直線と交わる点$r^*=1$に生じる。また、ポアンカレ写像$P(r)$の$r^*=1$での傾きは$e^{-2\pi}<1$となるので、クモの巣図法により、固定点$r^*=1$が安定で唯一であることがわかる。
(c) $r^*$における線形化したポアンカレ写像は
\[ DP(r^*)=e^{-2\pi} \]となる。つまり、特性乗数は$e^{-2\pi}$となる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-24 16:26:58

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.323の問題番号「8.7.8」 に対する解答

系$\dot{x}+x=F(t), \ \ F(t)$は滑らかな$T$周期関数
$t=0$のとき$x(0)=x_0$とすると、一般解は
\[ x(t)=\left[x_0+\int_0^tF(t')e^{t'}dt' \right] e^{-t} \]となる。この一般解よりポアンカレ写像$P$は
\[ P(x_0)=x(T)=\left[x_0+\int_0^T F(t)e^tdt \right] e^{-T} \]となる。この$P$のグラフは傾きが$e^{-T}<1$の直線となるので、これは対角線とただ1つの点で交わる。したがって、クモの巣図法により、固定点はただ1つで、大域的に安定である。つまり、系は安定な$T$周期解$x(t)$を必然的にもつと考えられる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-24 10:49:32

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.323の問題番号「8.7.7」 に対する解答

系$\dot{t}=1, \ \ \dot{\theta}=\sin t-\sin \theta$
相図は添付図のようになる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-24 07:11:40

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.323の問題番号「8.7.6」 に対する解答

まず、系$\dot{\theta} + \sin \theta = 0$を考えると、$\theta=2n\pi, \ \ (2n+1)\pi$に固定点をもち、それぞれ$\theta=2n\pi$が安定な固定点、$\theta=(2n+1)\pi$が不安定な固定点となる。
これを考慮して、系$\dot{\theta} + \sin \theta = \sin t$を考える。
最初、不安定な固定点付近にある$\theta$は$\sin t$の項がなければ、すぐに安定な固定点に向かうが、$\sin t$の効果により、不安定な固定点の周りでしばらく振動する。この後、適当な時刻で、$\theta$は安定な固定点の方に動き、$\sin t$の効果により、安定な固定点の周りで振動を続ける。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-24 07:09:57

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.323の問題番号「8.7.5」 に対する解答

系$\dot{\theta} + \sin \theta = \sin t$
この系は2つの周期解というより、2つの振動解をもつのではないか。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-24 07:08:04

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.323の問題番号「8.7.4」 に対する解答

系$\dot{x}+x=A \sin \omega t , \ \ \omega>0$
この系を初期条件$x(0)=x_0$として解くと、
\[ x(t)=\left(x_0+\frac{\omega A}{1+\omega^2} \right) e^{-t} + \frac{A}{1+\omega^2} \sin \omega t - \frac{\omega A}{1+\omega^2} \cos \omega t \]と得られる。したがって、ポアンカレ写像$P(x_0)$は
\[ P(x_0)=x \left( \frac{2 \pi}{\omega}\right) = x_0 e^{-\frac{2 \pi}{\omega}}-\frac{\omega A}{1+\omega^2} \left(1-e^{-\frac{2 \pi}{\omega}} \right) \]となる。このポアンカレ写像の傾きは$e^{-\frac{2 \pi}{\omega}} < 1$であるので、クモの巣図法により、固定点はただ1つで大域的に安定である。このとき、ポアンカレ写像の切片は$A>0$のとき負の値、$A<0$のとき正の値をとることを考慮すると、固定点$x^*$は$A>0$のとき$x^*<0$、$A<0$のとき$x^*>0$となる。これは固定点の符号を見ることで、$A$の符号を推論できることを示す。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-22 05:46:01

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