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ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.322の問題番号「8.7.3」 に対する解答


\[ \dot{x}+x=F(t), \ \
F(t) = \begin{cases}
+A & (0<t<T/2) \\
-A & (T/2<t<T)
\end{cases}
\](a) 斉次方程式$\dot{x}+x=0$より、
\[ x(t)=Be^{-t} \]が得られるので、この解の係数を$B(t)$として、$\dot{x}+x=F(t)$に代入すると、
\[ \dot{B}=F(t)e^t \]となる。この式を時刻$0$から$T$まで積分すると、
\[ B(T)-B(0)=-A(e^{\frac{T}{2}}-1)^2 \]となる。したがって、$B(0)=x_0$となることを考慮すると、
\[ x(T) = x_0 e^{-T}-A(1-e^{-\frac{T}{2}})^2 \]が得られる。

(b) $x(T)=x_0$となるとき、周期解をもつので、
\[ x_0 = x_0 e^{-T}-A(1-e^{-\frac{T}{2}})^2 \]より、
\[ x_0 = -A \tanh \frac{T}{4} \]が得られる。これは、唯一の周期解となる。

(c) $T \to 0$のとき、$x(T) \to x_0$となる。これは矩形波の周期が極端に短くなるため、$x$への影響がなくなってしまい、初期位置から動くことがなくなったと考えられる。一方、$T \to \infty$のとき、$x(T) \to -A$となる。これは$t \sim T$では矩形波の値は$-A$となるので、$x$はこの値の影響を受けると考えられる。

(d) 添付図参照。ただし、$A=1, \ \ T=1$とした。ポアンカレ写像は赤い線。

(e) 添付図参照。クモの巣図法(青い線)を用いると、$P$が大域的に安定な固定点を持つことがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-09 05:43:46

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.322の問題番号「8.7.2」 に対する解答

系$\dot{\theta}=1, \ \ \dot{y}=ay$で与えられる円筒上のベクトル場
$S$を円筒上の$\theta=0$の軸とし、$y_0$を$S$上の初期点とする。$\dot{\theta}=1$なので、最初に$S$に戻るのは帰還時間$t=2\pi$の後である。よって、$y_1=P(y_0)$で、$y_1$は
\[ \int_{y_0}^{y_1} \frac{dy}{ay} = \int_0^{2\pi}dt=2\pi \]を満たす。積分を評価すると、
\[ y_1=e^{2\pi a}y_0 \]となる。ゆえに、
\[ P(y)=e^{2\pi a}y \]である。
i) $a>0$のとき、固定点は$y^*=0$となり、1つの周期解をもつ。蜘蛛の巣図法により、この固定点は不安定である。
ii) $a=0$のとき、ポアンカレ写像は45°の直線と一致する。つまり、すべての$y$に対して周期解をもつ。
iii) $a<0$のとき、固定点は$y^*=0$となり、1つの周期解をもつ。蜘蛛の巣図法により、この固定点は安定である。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-04 08:53:13

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.322の問題番号「8.7.1」 に対する解答

\[ \frac{1}{r(1-r^2)}=\frac{1}{r}-\frac{1}{2(r-1)}-\frac{1}{2(r+1)} \]と部分分数を分解すると、
\[ \begin{align} \int_{r_0}^{r_1} \frac{dr}{r(1-r^2)} &= \left[ \ln |r|-\frac{1}{2} \ln |r-1|-\frac{1}{2} \ln |r+1| \right]_{r_0}^{r_1} \\
&= \left[ \ln \frac{r}{\sqrt{r^2-1}} \right]_{r_0}^{r_1} \\
&= \ln \frac{r_1}{\sqrt{r_1^2-1}} - \ln \frac{r_0}{\sqrt{r_0^2-1}} = 2 \pi
\end{align} \]となる。この式を整理すると、
\[ r_1=\left[ 1+e^{-4\pi}(r_0^{-2}-1) \right]^{-\frac{1}{2}} \]が得られる。
また、ポアンカレ写像は
\[ P(r)=\left[ 1+e^{-4\pi}(r^{-2}-1) \right]^{-\frac{1}{2}} \]となるので、
\[ P'(r)=e^{-4\pi}r^{-3}\left[ 1+e^{-4\pi}(r^{-2}-1) \right]^{-\frac{3}{2}} \]から、
\[ P'(r^*)=P'(1)=e^{-4\pi} \]が得られる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-07-04 08:10:21

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.322の問題番号「8.6.8」 に対する解答

方程式
\[ m \ddot{r}=\frac{h^2}{mr^3}-k, \ \ \dot{\theta}=\frac{h}{mr^2} \]
この方程式をコンピュータで解くと、添付図のようになる。
各パラメータは$m=1, \ \ h=1, \ \ k=1$とおいた。このとき、$r_0=1, \ \ \omega_{\theta}=1$となる。
図の黒い円は半径$r_0$の一様な円を表す。また、図の赤い軌道は初期値として$r=1.5, \ \ \theta=0$としたときのものを表す。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-29 05:55:09

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.322の問題番号「8.6.7」 に対する解答

方程式
\[ m \ddot{r}=\frac{h^2}{mr^3}-k, \ \ \dot{\theta}=\frac{h}{mr^2} \](a) 動径方向の方程式は$\dot{r}=v$とおくと、
\[ \dot{r}=v, \ \ \dot{v}=\frac{h^2}{m^2r^3}-\frac{k}{m} \]と書くことができる。この系の固定点は
\[ \left(\sqrt[3]{\frac{h^2}{mk}},\ 0 \right) \]となり、ヤコビ行列を調べると、この固定点はセンターとなる。したがって、
\[ r_0=\sqrt[3]{\frac{h^2}{mk}}, \ \ \omega_{\theta}=\frac{h}{m r_0^2} \]の一様な円運動に対応する解をもつ。
(b) 円軌道の周りの小さな動径方向の振動の振幅を$r_p$とし、$r=r_0+r_p$とおいて方程式を整理すると、
\[ m \ddot{r}_p=-3\frac{k}{r_0}r_p \]となる。したがって、円軌道の周りの小さな動径方向の振動の振動数$\omega_r$は
\[ \omega_r=\sqrt{\frac{3k}{mr_0}}=\sqrt{3}\omega_{\theta} \]となる。
(c) (b)の結果より$\omega_r/\omega_{\theta}=\sqrt{3}$となるので、この小さな動径方向の振動が準周期運動に対応することがわかる。
(d) 動径方向の方程式は唯一の固定点$(r_0,0)$を持ち、それがセンターであるので、$(r,v)$平面上での軌道は$(r_0,0)$周りの閉軌道となる。つまり、もとの系で軌道を考えると、半径$r_0$の円軌道を基準として、適当な振幅で動径方向に振動するような軌道になる。したがって、この運動は動径方向の振動の任意の振幅に対して、周期的か準周期的になる。
(e) 略解を参照。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-27 07:21:55

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.322の問題番号「8.6.6」 に対する解答

4次元の系$\ddot{x}+x=0, \ \ \ddot{y}+\omega^2 y=0$
(a) この系の一般解は
\[ x(t)=A \sin(t+\alpha), \ \ y(t)=B \sin(\omega t+\beta) \]と書くことができる。ここで、$A,B,\alpha,\beta$は定数である。したがって、もし
\[ x(t)=A(t) \sin \theta(t), \ \ y(t)=B(t) \sin \phi(t) \]と書くならば、
\[ A(t)=A, \ \ B(t)=B, \ \ \theta(t)=t+\alpha, \ \ \phi(t)=\omega t+\beta \]となるので、$\dot{A}=\dot{B}=0$であり、$\dot{\theta}=1, \ \ \dot{\phi}=\omega$となることがわかる。

(b) (a)の結果から、この系の軌道は
\[ x(t)=A \sin(t+\alpha), \ \ \dot{x}(t)=A \cos(t+\alpha), \ \ y(t)=B \sin(\omega t+\beta), \ \ \dot{y}(t)=\omega B \cos(\omega t+\beta) \]と表すことができる。これらの式から、$x(t),\dot{x}(t)$は$(x,\dot{x})$平面中の円上に拘束されており、$y(t),\dot{y}(t)$は$(y,\dot{y})$平面中の楕円上に拘束されていることがわかるので、この系の軌道は4次元の相空間中の2次元のトーラスに拘束されていることがわかる。

(c) リサージュ図形はこの系の軌道を$(x,y)$平面に射影したものと考えられる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-19 08:36:35

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.321の問題番号「8.6.5」 に対する解答

リサージュ図形$x(t)=\sin t, \ \ y(t)=\sin \omega t$
媒介変数$t$は$0$から$10\pi$まで動かした。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-17 06:49:20

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.321の問題番号「8.6.4」 に対する解答へのコメント

系$\dot{\theta}_1=E-\sin \theta_1+K \sin(\theta_2-\theta_1), \ \ \dot{\theta}_2=E+\sin \theta_2+K \sin(\theta_1-\theta_2), \ \ E,K \geq 0$
(a) この系のヌルクラインは
\[ E-\sin \theta_1+K \sin(\theta_2-\theta_1)=0, \ \ E+\sin \theta_2+K \sin(\theta_1-\theta_2)=0 \]である。これらの式は以下のように変形できる。
\[ \begin{align}
& E-\cos \frac{\theta_1+\theta_2}{2} \sin \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{1} \\
& \left( \sin \frac{\theta_1+\theta_2}{2} + 2K \sin \frac{\theta_1-\theta_2}{2} \right) \cos \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{2}
\end{align} \]が得られる。$(2)$式は以下のように分解しておく。
\[ \begin{align}
& \sin \frac{\theta_1+\theta_2}{2} + 2K \sin \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{2-1} \\
& \cos \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{2-2}
\end{align} \]これらの式を使って固定点を分類する。
i)$E>1$のとき、固定点は存在しない。
ii)$E<1$のとき、$(1)$式と$(2$-$2)$式から2つの固定点
\[(\sin^{-1}E, \pi+\sin^{-1}E), \ \ (\pi-\sin^{-1}E,2\pi-\sin^{-1}E) \]が存在する。
iii)$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1$および$1/\sqrt{2}<E<1, \ \ E^2+4K^2<1$のとき、$(1)$式と$(2$-$1)$式から
\[ \alpha=\sin^{-1}(4KE), \ \ \beta_-=\sin^{-1}\left[\frac{1}{2K} \sqrt{ \frac{1-\sqrt{1-16K^2E^2}}{2} } \right] \]とおいて、2つの固定点
\[ \left(-\frac{\alpha}{2}+\beta_-,2\pi-\frac{\alpha}{2}-\beta_- \right), \left(\pi-\frac{\alpha}{2}-\beta_-,\pi-\frac{\alpha}{2}+\beta_- \right) \]が存在する。
iv)$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1, \ \ E^2+4K^2>1$のとき、$(1)$式と$(2$-$1)$式から
\[ \beta_+=\sin^{-1}\left[\frac{1}{2K} \sqrt{ \frac{1+\sqrt{1-16K^2E^2}}{2} } \right] \]とおいて、2つの固定点
\[ \left(-\frac{\pi}{2}+\frac{\alpha}{2}+\beta_+,\frac{3}{2}\pi+\frac{\alpha}{2}-\beta_+ \right), \left(\frac{\pi}{2}+\frac{\alpha}{2}-\beta_+,\frac{\pi}{2}+\frac{\alpha}{2}+\beta_+ \right) \]が存在する。
以上のことから、
①$E>1$の領域では、固定点なし。
②$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1$および$1/\sqrt{2}<E<1, \ \ E^2+4K^2<1$の領域では、2つの固定点(1つのサドルと1つの不安定ノード)をもつ。
③$E^2+4K^2<1$の領域では、4つの固定点(2つのサドル、1つの安定ノード、1つの不安定ノード)をもつ。
④$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1, \ \ E^2+4K^2>1$の領域では、6つの固定点(3つのサドル、2つの安定ノード、1つの不安定ノード)をもつ。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-16 06:24:24

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.321の問題番号「8.6.4」 に対する解答

系$\dot{\theta}_1=E-\sin \theta_1+K \sin(\theta_2-\theta_1), \ \ \dot{\theta}_2=E+\sin \theta_2+K \sin(\theta_1-\theta_2), \ \ E,K \geq 0$
(a) この系のヌルクラインは
\[ E-\sin \theta_1+K \sin(\theta_2-\theta_1)=0, \ \ E+\sin \theta_2+K \sin(\theta_1-\theta_2)=0 \]である。これらの式は以下のように変形できる。
\[ \begin{align}
& E-\cos \frac{\theta_1+\theta_2}{2} \sin \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{1} \\
& \left( \sin \frac{\theta_1+\theta_2}{2} + 2K \sin \frac{\theta_1-\theta_2}{2} \right) \cos \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{2}
\end{align} \]が得られる。$(2)$式は以下のように分解しておく。
\[ \begin{align}
& \sin \frac{\theta_1+\theta_2}{2} + 2K \sin \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{2-1} \\
& \cos \frac{\theta_1-\theta_2}{2}=0 \tag{2-2}
\end{align} \]これらの式を使って固定点を分類する。
i)$E>1$のとき、固定点は存在しない。
ii)$E<1$のとき、$(1)$式と$(2$-$2)$式から2つの固定点
\[(\sin^{-1}E, \pi+\sin^{-1}E), \ \ (\pi-\sin^{-1}E,2\pi-\sin^{-1}E) \]が存在する。
iii)$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1$および$1/\sqrt{2}<E<1, \ \ E^2+4K^2<1$のとき、$(1)$式と$(2$-$1)$式から
\[ \alpha=\sin^{-1}(4KE), \ \ \beta_-=\sin^{-1}\left[\frac{1}{2K} \sqrt{ \frac{1-\sqrt{1-16K^2E^2}}{2} } \right] \]とおいて、2つの固定点
\[ \left(-\frac{\alpha}{2}+\beta_-,2\pi-\frac{\alpha}{2}-\beta_- \right), \left(\pi-\frac{\alpha}{2}-\beta_-,\pi-\frac{\alpha}{2}+\beta_- \right) \]が存在する。
iv)$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1, \ \ E^2+4K^2>1$のとき、$(1)$式と$(2$-$1)$式から
\[ \beta_+=\sin^{-1}\left[\frac{1}{2K} \sqrt{ \frac{1+\sqrt{1-16K^2E^2}}{2} } \right] \]とおいて、2つの固定点
\[ \left(-\frac{\pi}{2}+\frac{\alpha}{2}+\beta_+,\frac{3}{2}\pi+\frac{\alpha}{2}-\beta_+ \right), \left(\frac{\pi}{2}+\frac{\alpha}{2}-\beta_+,\frac{\pi}{2}+\frac{\alpha}{2}+\beta_+ \right) \]が存在する。
以上のことから、
①$E>1$の領域では、固定点なし。
②$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1$および$1/\sqrt{2}<E<1, \ \ E^2+4K^2<1$の領域では、2つの固定点(1つのサドルと1つの不安定ノード)をもつ。
③$E^2+4K^2<1$の領域では、4つの固定点(2つのサドル、1つの安定ノード、1つの不安定ノード)をもつ。
④$E<1/\sqrt{2}, \ \ 4KE<1, \ \ E^2+4K^2>1$の領域では、6つの固定点(3つのサドル、2つの安定ノード、1つの不安定ノード)をもつ。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-16 06:21:12

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

P.321の問題番号「8.6.3」 に対する解答

系$\dot{\theta}_1=\omega_1, \ \ \dot{\theta}_2=\omega_2$、$\omega_1/\omega_2$は無理数。
解)トーラス上の任意の点$(p_1,p_2)$、任意の初期条件$(q_1,q_2)$に対して、$p_1=0, \ \ p_2=q_2$としても一般性は変わらないので、このように設定する。
$\theta_2$方向に軌道が1周するときの時間は$2\pi/\omega_2$であるので、このとき、$\theta_1$方向には$2\pi \omega_1/\omega_2$だけ移動する。したがって、任意の初期条件$(q_1,q_2)$から初めて、$\theta_2$方向に軌道が$n$周したとすると、$\theta_1$方向には
\[ 2\pi \left[ \frac{\omega_1}{\omega_2} n+\delta_0 \right] \]に移動することになる。ここで、記号$[a]$を$a>0$に対してその整数部分を除いたものとして定義し、また、$q_1=2\pi \delta, \ \ 0<\delta_0<1$とおいた。
次に、自然数$n_0$を適切に選ぶと、
\[ \left[ \frac{\omega_1}{\omega_2}n_0+\delta_0 \right] < \min \left( \left[ \frac{\omega_1}{\omega_2} \right], \delta_0 \right) \]とすることができる。このときの$\theta_1$方向の位置を
\[ \delta_1=\left[ \frac{\omega_1}{\omega_2}n_0+\delta_0 \right] \]として、$2\pi \delta_1$とする。さらに、自然数$n_1$を適切に選ぶと、
\[ \left[ \frac{\omega_1}{\omega_2}n_1+\delta_1 \right] < \delta_1 \]とすることができる。このときの$\theta_1$方向の位置を
\[ \delta_2=\left[ \frac{\omega_1}{\omega_2}n_1+\delta_1 \right] \]として、$2\pi \delta_2$とする。
この操作を繰り返していくと、$N$回目の操作で、
\[ 2\pi \delta_N < \varepsilon \]とすることができる。
以上のことから、トーラス上の任意の点$q$から出発した軌道が$p$から距離$\varepsilon$以内を通るような
\[ t=\frac{2\pi}{\omega_2} \sum_{i=0}^N n_i < \infty \]が存在することがわかる。

ストロガッツ非線形ダイナミクスとカオス : 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで(9784621085806)

投稿者:goodbook 投稿日:2021-06-04 04:22:34

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